芥川賞や大江健三郎賞を受賞した作家の長嶋有の小説をドラマ化した本作は、父親の死に直面した主人公(井上真央)が、遺産相続を巡る騒ぎに巻き込まれる中で、家族という「繋がり」を再発見し、不器用ながらも前を向いて生きていこうとするヒューマンストーリー。
井上は本作でピアノに挑戦している。感想を聞かれると「小学校一年生くらいの時に少し習ったけど、上達せずやめてしまったことがあったんです。それ以後、自分は向いていないって思っていました。今回練習して、教えてくださった先生がとても褒めてくれて、調子に乗って頑張れました」と振り返る。
井上はまた、自分が演じる主人公は「割と秘めているタイプの子」だとも話し、その上で「らしい弾き方を先生と探りながらやらせてもらいました。楽しかったです。ずっと練習していました」とも話したが、村上はそんな井上のピアノのテクニックについて、「余裕で弾いているように僕は見えていました」と絶賛する。
もっとも、そんな村上も撮影の合間に、井上のそばで遊びがてらピアノを弾いていたと言い、井上は「ちょっと弾いてって言ったらすごく上手くて……」と村上に羨望の眼差し。村上はそれに対して、「そんなことないです」と謙遜。村上の母・UAは有名ミュージシャンであるが、村上はそんな母の目を意識してか、「音楽できるフリするなって母に怒られるんで……」と困り顔。井上によれば歌も上手いと言い、井上は「声がいいんで聴き入っちゃう。デビューすると思いますよ」とさらに井上を煽って笑顔を見せた。
その村上は本作で井上の弟役を演じるが、井上は村上のキャラクターについても「自由人。一緒にいるとペットを飼ってるみたい」と紹介。「パッと見たらご飯を食べてたり歌っていて、見ていて飽きない」と話すと、姉役の尾野もこれに共感。「自由だなって。いろいろお話しもしてくれるし、しんとしている感じはなかった」と村上を評していた。
(取材・文:名鹿祥史)