「大城卓三のスタメンを予想する声の方が多かったんですが」(スポーツ紙記者)
大城を予想する理由は、打撃力だ。
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去る3月21日、緊急事態が発生した。楽天とのオープン戦前、主将・坂本勇人がチームの輪を離れ、ベンチに向かって歩き出した。その険しい表情から「故障した」ことはすぐに察することができた。
その後、左腹斜筋の筋損傷で「開幕絶望」となったことも発表されたが、巨人は主力中の主力、最も欠いてはならない精神的支柱を失ってしまったわけだ。
「坂本がいなくなるのなら、攻撃力でも大きなマイナスです。打撃面をカバーする意味で、小林ではなく、大城の開幕マスクが予想されていました」(前出・同)
しかし、投手陣の編成を見てみると、小林が選ばれた理由も分かるような気がする。
何人かの関係者、巨人情報に詳しいプロ野球解説者の話を総合すると、第2戦の先発は山崎伊織で、(翌週の)第6戦は堀田賢慎に託すという。
山崎、堀田はオープン戦でも結果を出している。しかし、ともに右肘の手術明けであり、他の先発投手のように長いイニングを託すことはできない。
「開幕ローテーションは、6人。山崎と堀田の登板日が菅野を挟んでいます。つまり、菅野には長いイニングを投げさせ、救援投手を休ませるくらいの安定したピッチングを見せてもらい、翌日の山崎に備えます。また、堀田が投げる第6戦も救援投手が多く投入されることが予想されます。先発投手は6人だから、堀田の次に投げるのは、一巡して、また菅野。菅野には長いイニングを投げてもらい、前試合で登板過多になった救援陣を休ませよう、と」(プロ野球解説者)
菅野で山崎、堀田をカバーする作戦である。
見方を変えれば、試合早々にノックアウトされた場合、開幕ローテーションの組み直しはもちろん、救援投手陣も崩壊してしまうというわけだ。
捕手としての守備力に長けた小林が選ばれたのは、菅野を“完投させたい”くらいに思っているからだろう。
また、坂本不在の状況を指して、こんな声も聞かれた。
「チームを牽引するリーダー役もいません。性格的にリーダーが務まるのは、中田翔だけ。岡本和真は声を張り上げてチームを盛り上げていくタイプではありません」(球界関係者)
菅野、中田がカギを握りそうだ。
坂本が長期不在となるのは避けられないようだ。脇腹の故障は長引くものであり、特に打撃面への影響が大きいという。治ったとしても、実戦感覚を取り戻すのにまた時間を要することも考えると、5月下旬以降の交流戦まで戻っては来れないだろう。
ショートのポジションは廣岡大志、湯浅大が代役を務めるそうだが、苦しい展開は避けられない。菅野で開幕戦を落とすようなことになれば、ちょっとヤバイのでは…。(スポーツライター・飯山満)