今回の番組で金村氏はオープン戦で14日までに「.273・0本・4打点」をマークしている阪神・佐藤輝明の打撃の変化や、現在二軍で調整している巨人の戸郷翔征・高橋優貴に心配していることなどを話した。その中で、現在一軍に同行している阪神のドラフト4位・18歳の前川右京に期待を寄せた。
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高校通算37本塁打の実績を引っさげプロ入りした前川は、春季キャンプは二軍で過ごしたが、練習試合・教育リーグで打率「.454」と結果を出したことから13日に一軍初昇格すると、同日の巨人戦で「4打数2安打」とマルチ安打をマーク。これを受け矢野燿大監督は、15、16日の対ソフトバンク2連戦にも前川を帯同させることを決めている。
昇格してすぐに好アピールを見せた前川について、金村氏は「西武の森に近いね。森もあんな感じのスイングやったね。ちょっともう振り過ぎるやろうというくらい振る」とコメント。パ・リーグ屈指の強打者である西武捕手・森友哉に匹敵するスイングの鋭さがあるという見解を示した。
金村氏は続けて、「振れない人が多い中であれだけ振れるいうのは、試合の、それも対外試合であれだけ振れるっていうのはこれはね、半端じゃない」と指摘。目先の結果を求めてスイングが縮こまる打者も多い中、凡退を恐れずにフルスイングを貫けるのはすごいことだと称賛した。
「巨人戦で甲子園初デビューで、練習試合もオープン戦も二軍で振ってよう打ってるんやけども、まあ度胸も据わってる」と、大きな重圧がかかる本拠地での“伝統の一戦”で結果を出した点も評価した金村氏。「これ(ほどの打者)は久しぶりに見た。もうこれは来年ぐらいレギュラー獲ってるんちゃう?」と、そう遠くないうちにレギュラーをつかむのではと今後に期待を寄せた。
この金村氏の発言を受け、ネット上には「お試し昇格かなと思ってたら普通にマルチ打ったからビックリした」、「打撃だけならもう一軍で通用しそうな雰囲気が漂ってる」と同調の声が寄せられた。同時に、「矢野監督の起用法次第では、来年からじゃなく今年からポジション掴む展開もあり得るぞ」、「現状だと外野に割り込むのは厳しそうだが、佐藤の二塁起用が本格化すれば付け入る隙も出てくるのでは」と今季中のレギュラー獲得も現実味があるとするコメントも多数みられた。
「阪神の外野3枠は現在中堅が近本光司、右翼は佐藤、あるいは大山悠輔のレギュラー起用が決定的で、残る左翼も糸井嘉男、ロハスらが激しい競争を展開しています。デビュー戦で結果を出したとはいえ、まだほとんど実績がない前川が割って入るのはかなり厳しい状況です。ただ、矢野監督は12日・中日戦でシーズンを見据えたオプションのひとつとして佐藤を二塁でテスト起用しており、佐藤も4度あった守備機会をノーミスで終えるなど軽快な動きを見せています。そのため、今後佐藤の二塁起用が本格化するようなら外野が1枠空き、前川にもレギュラー奪取のチャンスが生まれるのではとみているファンも少なからずいるようです」(野球ライター)
15日の報道では、井上一樹一軍ヘッドコーチが「(開幕の)野手17人分の1を獲得する可能性はある」と開幕一軍入りの可能性を示唆したことが伝えられている前川。同日からのソフトバンク2連戦は、今季の立ち位置を左右する重要なカードとなりそうだ。
文 / 柴田雅人