この日のオリックスは先発・山崎颯一郎が「6回2失点(自責1)・被安打4・与四球4」と試合を作ったが、打線は6回裏までに1得点と援護できず。その後、8回表に3番手・本田仁海が阿部寿樹に2ランを浴び突き放されると、打線も8回裏に作った無死満塁の好機で無得点で終わるなど攻め手を欠き敗戦を喫した。
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試合後の報道によると、中嶋監督は紅林弘太郎のソロによる1得点にとどまった打線を責めるようなコメントは特に残さず。一方、先発の山崎については4回表終了後に「何しに来たん?」と喝を食らわせていたことを明かした上で、「いい球があるので、どう生かすか。あの場じゃないと覚えていけない。そこは、やってもらいましょう」と今後の奮起を求めたという。
山崎は4回表終了時点で「1失点・被安打2・与四球4」と、制球に苦しみながらも最少失点で粘っていた。ただ、中嶋監督にとってはあまり満足のいく投球内容ではなかったようだ。
この中嶋監督のコメントを受け、ネット上には「四球はちょっとかさんでたけどそんなに怒ることか?」、「4回1失点で『何しに来た』って叱るのはちょっと酷な気もする」と驚きの声が挙がった。一方、「5回が鬼門だった去年の二の舞になると思ったのでは」、「中嶋監督は『このまま5回に行かせたらやられる』って匂いを察知したのかも」と一喝した背景を推測するコメントも多数みられた。
「プロ6年目・23歳の山崎は昨季終盤に自身初の先発ローテ入りを果たし、『9試合・2勝2敗・防御率3.69』をマークした若手有望株の1人ですが、昨季のイニング別失点は5回(6失点/全16失点中)が最多。勝利投手の権利がかかる重圧に慣れてないのか、それとも単純にスタミナが不足しているのか、5回に投球を崩しがちな点が大きな課題となっています。そのため、中嶋監督は山崎が昨季と同様に5回で崩れることを危惧して、直前の4回表に一喝し気合を入れ直させようとしたのではという見方もされています」(野球ライター)
中嶋監督からの一喝は相当効いたのか、5回は三者凡退できっちり抑えた山崎。本人は試合後に「去年よりもレベルの高いものを求められている。頭も成長しないといけない」と猛省したことが伝えられているが、中嶋監督の言葉を今後の投球に生かすことはできるのだろうか。
文 / 柴田雅人