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母親の介護をさせるために結婚する最低男~本当にあった怖い彼氏~

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画像はイメージです

大野 佐奈(仮名・31歳)

 去年別れた最悪な元カレの話です。元カレとの出会いは合コンで、彼からの猛アプローチを受けて付き合い始めました。当時、合コン参加者の中で1番年上で地味だったわたしを、彼がなぜ選んでくれたのか不思議に思っていました。その答えは数か月後にわかることになります。

 付き合い始めてから彼は、ずっと『早めに結婚したい』と話していました。わたしもすでに30歳を超えていて、彼と同じ考えだったので、嬉しく思っていました。

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 そうして話はトントンと進み、交際2か月で彼の親に会いに行くことに。当日、彼の家を訪ねると、彼の父親と彼が迎えてくれました。しかし、居間へ通されてからも、しばらく母親の姿は見えませんでした。不思議に思い彼に尋ねると、父親と顔を見合わせ、わたしを別の部屋に連れて行きました。
 
 そこにいたのは、寝たきりの彼の母親だったのです。脳梗塞を患った後、後遺症で身体が思うように動かせず、要介護の状態なのだと教えてもらいました。そのことを当日まで全く知らされていなかったので、驚くと同時に、その時初めて彼に不信感を抱きました。

 その後、居間に戻りわたしが黙ったままでいると、彼の父親が口を開きました。「こんないい子が嫁に来てくれたら母さんも幸せだ。母さんを頼むよ」。つまりそれは、わたしに介護を任せるということ。父親の有無を言わせない言い方に困惑し、彼をチラッと見ましたが、気まずそうに目を逸らされただけでした。その時やっと、彼がわたしのことを結婚相手としてではなく、「母親を介護してくれる人」として見ていたのだと理解しました。

 旦那の親の介護。これは結婚するなら仕方ないことなのかもしれませんが、それは家族としての愛があってのこと。恐らく彼と父親は結託して、介護してくれる人を見つけようとしていたのだと思います。そんな人たちのために、自分を犠牲にすることはできないと思い、後日別れを告げました。

 合コンで出会ったあの日、わたしが地味で大人しくて、言うことを聞いてくれそうだから近づいたんだと思うと、本当に悲しいです。最低な男だったと、彼に対しての怒りがいまだ収まりません。

写真・Logan Ingalls

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