3年目の今シーズンはキャンプ一軍スタートを切り、7日にはシート打撃に登板。もともと足を上下させる二段モーション”だったが、今年はさらに上げ下げを大きくゆっくりとタメを作って軸足に体重を乗せ、右手もホーム側に伸ばすダイナミックなフォームに変えているように見えた。この日はコントロールは今ひとつだったが、ストレートはより球威を増した印象で、バッターを押し込む場面も散見された。
昨シーズンは前半戦3勝をマーク。王者ソフトバンクを封じ込み、10連敗中のチームをストップさせることに成功、出身福岡の先輩・三嶋一輝がイヤなサヨナラ負けを喫した翌日にリベンジの快投を見せるなど、印象的に残るピッチングを披露した左腕。しかし後半戦は1勝に終わり、結果的にはルーキーイヤーと同じ4勝に終わった。防御率もおととし5.67、昨年は5.25の数字に「防御率が2年ともに5点台では話にならない。一軍のピッチャーとして話にならない数字」と自責。「3点台以下を目標に、1年目、2年目とは見違えるような数字にする」と強い思いとともに春季キャンプに挑んでいる。
現在ローテーション候補は、手術から復活した今永昇太を筆頭に、濱口遥大、東克樹の左腕トリオと、大貫晋一、フェルナンド・ロメロ、上茶谷大河とライバルが一軍でしのぎを削っている。ファームでも京山将弥、阪口皓亮、宮國椋丞らが虎視眈々と狙っている状況だが、負けず嫌いな性格と大好きな野球への情熱を武器に「1年を通して先発ローテーションを守って、チームの勝利に貢献したい」との目標に向け、坂本裕哉は邁進する。
取材・文 ・写真 / 萩原孝弘