昨年の「横浜一心」に続き、三浦大輔監督自身が考案し採用。昨シーズンはホームの横浜スタジアムでヤクルトに敗れ、目の前で胴上げを許すとともに、チームの最下位も決定。「本当に悔しい思いやうらやましい思い、いろんな思いが混ざっていました」と屈辱の瞬間から「やり返す。2022年は横浜反撃の年にしなければ」と決意。「分かりやすくシンプルでストレートに伝わる言葉」を選んだとした。
TBS時代は2004年から3年続けて「BE A HERO」、2007年からも「MOVE ON なせばなる」を3年間、2010年は「FULL SEASON FULL POWER, Analyzing Baseball」、翌年は「FULL SEASON FULL POWER」とマイナーチェンジするにとどまり、あまりスローガンを重要視していなかったことがうかがえる。
ところが親会社がDeNAになってからは、中畑清DeNA初代監督が2012年「熱いぜ!横浜DeNA」と声高らかに発表。2013年「勝」、2014年「心」、2015年「導」と和テイストで中畑氏らしい心のこもった言葉が並んだ。
2016年にアレックス・ラミレス氏が監督に就任すると「WE PLAY TO WIN」と英語のスローガンとなり、文字通り勝つためにプレーしたチームは、セ・リーグ3位と球団史上初のクライマックスシリーズに進出。自信を深めた2017年は「THIS IS MY ERA.」。“我々の時代”と、もう一つ上の目標を掲げると勝率も5割を超えセ・リーグ3位と、一歩ずつ強豪チームとなっていった。
戦力も整いつつあった2018年は「VICTORY is within US.」。“勝利は我々の中にある”と優勝に向けメッセージ性を強くしたが、成績はセ・リーグ4位に後退。悔しさを踏まえ、2019年は「Go Beyond the Limit.」と限界突破を表現し、チームも2位とステップアップに成功した。2020年は「NEW GENERATION IS HERE.」とチームの顔だった筒香嘉智の去った後の新世代到来としたが、成績は4位とBクラスに低迷したこともあり、ラミレス監督も解任された。
言葉は言霊ともよく言われる。昨年は最下位に沈んだが、心をひとつに戦う「横浜一心」は体現できた。2022年はその名の通り最下位からの“反撃”を目指して、2年目の三浦ベイスターズは発進する。
取材・文 / 萩原孝弘