「メジャーリーグは新労使協定の話し合いが決裂したため、現在は球団業務の全てが止まるロックアウト状態です。選手獲得の交渉もできず、FA市場もストップしたまま」(米国人ライター)
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その影響だろう。米メディアはかなり詳細な選手特集の記事をまとめている。
米スポーツサイト・FANSIDED(電子版)は、ヤンキースの補強ポイントに関する記事をまとめており、その中で、菊池の獲得を強く勧めていた。
今季は、7勝9敗、防御率も4点台だ。前半戦は好調だったが、後半戦は息切れしてしまい、それが原因で、マリナーズも強く引き留めなかった。
ヤンキースと言えば、他球団の看板選手を集める傾向にあるが…。
<菊池は29試合に先発したが、うち15試合はポストシーズン進出の強豪チームだ。勝敗の数字だけでは評価してはならない。注目すべきは、東部地区のチームとの対戦成績だ>
ア・リーグ東部地区のレイズに対し、通算2勝負けナシ、防御率1・38。同じく、ブルージェイズに対しても、防御率1.77の好スコアは残している。東部地区のヤンキースは菊池を獲得すべきだと主張していた。
「東部地区のチーム」について、こんな情報もある。
「ポスティング・システムで米球界に挑戦する鈴木誠也のことです。交渉がスタートしたばかりでロックアウト状態となりましたが、ヤンキース、レッドソックスの両伝統球団も獲得に名乗りを挙げています。両球団の過熱ぶりも伝えられています」(前出・米国人ライター)
日本人選手がメジャーリーグに挑戦する際、温暖な西部地区のチームを優先しがちだ。東部地区のチームに対しては、「すぐに結果を求めるので」と敬遠しがちだ。しかし、ヤンキースに移籍し、東部地区の対戦チームとの相性の良さを発揮したら、今後、米球界に挑戦しようとする日本人選手も印象を変えるだろう。
「鈴木の獲得交渉は長期化しそうです。これまでオンラインで交渉したいくつかの球団によると、さほど重要ではないことでも、『考えさせてくれ』と答えているそうです。家族を含め、熟考したいのでしょう。去就について代理人にほぼ丸投げした菊池とは対照的です」(現地関係者)
ヤンキースは先発4番手のピッチャーを探しており、「左投手ならなおのこと」と捉えている。
菊池は「苦労や努力が報われた」という野球人生を好むそうだ。マリナーズでの3年間はパッとしなかったが、「数字以上の評価」を受けているのなら、東部地区のチームに移籍した方が良い。ロックアウト解除後、菊池の名前が急浮上してきそうだ。(スポーツライター・飯山満)