新外国人選手の獲得をめざす巨人軍の候補者リストに米・独立リーグのアダム・ウォーカー外野手がトップランキングされていることが判明した。「外野手、右打ち、大砲タイプを獲る」という予想通りではあったが、関係者、取材陣を驚かせたのは“無名選手”だったこと。打率3割2分、本塁打33、打点101、2年連続でリーグMVPを受賞。成績はバツグンだが、独立リーグの選手である。対戦ピッチャーのレベルも考えれば、「V奪還の救世主」とは言えないだろう。
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「メルセデス、ビエイラなど獲得してから育て上げるパターンも目立つようになりました。その流れでしょう」
多くのメディアがそう語っていた。
つまり、V奪還の救世主はほかにいるということだ。同時に飛び込んできたのは、事実上の自由契約となった前日本ハムの西川遥輝外野手の獲得説。「まだできる!」と西川を評価する声も多いが、西川は左打ちのアベレージ・ヒッターだ。「左打ちの外野手は飽和状態」というのが、巨人の実情だが…。
「当初、同じく日本ハムから『ノンテンダー』を通達された大田泰示を獲るのではないかと見られていましたが。外国人選手をもう一人獲るとも聞いています」(球界関係者)
外野手、右打ち、大砲タイプ。全ての条件を満たしているのは、大田だ。無名外国新選手、大田ではなく、西川獲得へ。予想外の補強話が続いている。
「リハビリ中の梶谷隆幸が予想以上に早い回復を見せています」(前出・同)
梶谷は10月に腰椎椎間板ヘルニア手術を受けたが、すでにリハビリも始めている。ウォーカー獲得説の出た12月5日もジャイアンツ球場を訪れており、来年3月の実戦復帰も囁かれている。梶谷も左打ちだが、西川とはタイプが異なる。成長著しい松原聖弥、登録は内野手で右打ちだが、ウィーラーもいる。ファーム首脳陣のイチ押し・秋広優人も外野守備練習を精力的にこなしていたが?
「今季の敗因の一つに、打線の低迷が挙げられます。補強は必要ですが、結果を残した選手、若手の出場機会を奪うことにもなりかねません」(前出・同)
首脳陣が秘かに期待しているのは、中田翔の復活だという。巨人移籍後も持ち前の打撃力は戻らなかったが、その原因は腰痛で、「コンディションが万全なら」と、首脳陣は見ているそうだ。
先の大田、西川の情報に重ねて、こんな指摘も聞かれた。
「中田と西川は気が合うんです。大田は実直な性格で、中田、西川はヤンチャ」
日本ハムOBのコメントだ。西川の獲得も狙うのは中田の復活計画の一環だろうか。巨人には彼らよりも年上で、良い意味で睨みの効く坂本勇人がいる。坂本がいる限り、ヤンチャ・メンバーが暴走することはないだろう。坂本は来季も主将役を務める。今後の補強によって、スターティングメンバーがガラリと変わる可能性はあるが、「坂本のチーム」という点は変わらないようだ。(スポーツライター・飯山満)