そして、大仁田が何よりもこだわりを持っているのが、電流爆破の“原点”である「ノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ」への回帰だ。90年8月4日、FMWの東京・レールシティ汐留大会で、大仁田とターザン後藤との間で、「ノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ」が世界で初めて行われた。その後、この試合形式はFMWのみならず、新日本プロレスなどのメジャー団体でも実施されてきたが、近年では後に開発された電流爆破バットデスマッチが主流になっていた。しかし、大仁田は今回、原点に立ち返り、「ノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ」に臨む。この試合形式が行われるのは、18年10月に大仁田が7度目の復帰を果たして以降では初で、そのほかにもさまざまなアイテムがプラスされた“令和版・4面爆破”となる。
また、セミファイナルに組まれている、雷神矢口、リッキー・フジ、ザ・シューター組VS神谷英慶、星野勘九郎、兵頭彰組による、FMW軍対大日本プロレス軍選抜対決(エニウェア電流爆破バット6人タッグデスマッチ)も注目されるところ。FMW軍の矢口、リッキーは電流爆破、デスマッチの経験も豊富。一方の大日本軍は3人とも電流爆破初体験。神谷はBJW認定世界ストロングヘビー級王座に戴冠したこともある本格派だが、今年に入って、本格的にデスマッチ戦線に進出。ベテランの星野は元BJW認定デスマッチ・ヘビー級王者で、その星野と「G★SHOCK1010(セントーン)」を結成した兵頭は今年からハードコア路線に参入した。チームとして、デスマッチの経験値ではFMW軍が上だが、大日本軍はしっかりした実力を兼ね備え、未知なる可能性を秘めているだけに、勝負の行方は闘ってみなければ分からないだろう。
(どら増田)