6日に放送された情報番組『バイキングMORE』(フジテレビ系)に出演した野々村は、菅義偉首相の自民党総裁選不出馬のニュースについて、「申し訳ないですけど、もっと早く菅首相には辞めていただきたかった」とコメント。また、菅首相の退陣表明を受けて涙する小泉進次郎環境相の会見に対しては、「泣きたくても泣けなくて苦しんでいるのは、今本当にICUに入っている人たち、そして亡くなった人たち、そのご家族。その人こそが本当にこの政治のおかげで命を失っていることを絶対に忘れないでほしい」とコメントした。
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先月25日に退院した野々村は、7月30日に新型コロナウイルス感染が判明して以降、症状が悪化したものの、なかなか入院できなかったという恐怖体験をしている。8月5日には入院できたが、生死をさまよう重度の肺炎を引き起こし、集中治療室で治療を受けていたという。
そんな野々村に対してネットでは、感染・重症化したことについては同情する一方で、同番組での発言に対して「何もかも国の責任にするのはおかしい」「自分のコロナ感染と政治を結びつけるのは違う」「症状が重く苦しかったのだろうけど、それは菅総理のせいではないだろ」など批判の声が多く上がり、炎上する事態になった。
野々村の発言は、なぜ炎上してしまったのだろうか。
まず、重症化や死亡の原因を「この政治のおかげで命を失っている」とひとくくりにして怒りをぶつけたことについて、その考えに理不尽さを感じた人は多いようだ。世界規模のパンデミックという異例の事態ということもあって、完璧に対応しきれない部分があっても仕方がないと割り切らざるを得ない中、政府だけに過度な責任を問うのは間違っているとする意見も散見された。
さらに、野々村自身の感染対策の甘さを指摘する意見もある。感染対策を徹底している人の中には、感染者に対して「本人の感染対策が甘かった」「努力不足」と捉える人も少なくない。特に、芸能界での感染対策の甘さはたびたびネットニュースでも報じられている。こうした認識のもとで、「自分のことは棚に上げて文句ばかり言っている」と感じたこともバッシングにつながった要因の一つだろう。
そして、自粛やコロナに対する脅威・感染不安が広がる中、ストレスやフラストレーションをためている人は多く、こうした不快感情が増強しやすいという点も少なからず炎上の要因になっているとも考えられる。
また、野々村のキャラクター性との関連も否めない。いつからかいじられやすいキャラクターが確立された野々村だが、新型コロナウイルス感染・重症化経験者となったことで、急に重要なご意見番として立ち位置を変えたことが気に入らないとする意見もある。
退院後、すっかりやつれてしまった野々村。闘病中はよほど苦しく、恐ろしかったに違いない。しかし、そのストレスの矛先を間違えたことで、反感を買ってしまったようだ。
文:心理カウンセラー 吉田明日香