「彼の第一印象は、“頭がいい”でした。すごく物知りで、私の知らないことをたくさん知っていて、いつも新鮮な気分にさせてくれました。次第に惹かれていき、交際を始めました。
>>コンビニで見せた下心~女がドン引く瞬間~<<
彼は私にいろんなものを勧めてくれました。“あの映画は面白い”“あの本は読んだ方がいい”と。すると、ある時“アレ、見てくれた?”と聞かれたんです。“まだ”と答えると、“アレは?”とまた別のものを聞かれました。どれも見ていなかったので、彼がすごくガッカリしていたんです。それから私は、彼のお勧めするものを必死で見まくりました」
彼の勧めるものの中には、海外ドラマなどの長編のものもあり、会う前日に徹夜で見てから出かけることもあったそう。そんな生活が続き、やはりカラダに限界が来てしまった。
「彼のお勧めのものがどんどん増え、溜まりに溜まってしまい、消化しきれなくなりました。彼に会うたびに何か勧められるので、彼と会うのが怖くなってしまったんです。別れようと思い、気持ちを伝えると、“一度会って話をしよう”と言われました。
個室のある居酒屋を彼が予約してくれました。そこで話をして、納得してもらったんですが、彼が泣き始めてしまって…。すると彼が、バッグを漁り何かを取り出しました。スピーカーでした。そして、曲をかけ始めたんです。“こういう時はこの曲がいいんだよ”なんて言って、聴きながらしんみりしていました。引きましたよね。だって、そういうところが原因で別れようと思ったんですから」
彼にとっては親切心からの行動だったのかもしれない。しかし、それが相手にとってプレッシャーになることも、理解しておかなければいけないだろう。
写真・Mislav Marohnić