球団は今回の掲載文の前半で、同僚への暴行問題で11日に球団から出場停止処分を受けた中田翔を、公に謝罪・説明の場を設けないまま20日に巨人に無償トレードで放出した件について言及。「当球団ではトレード時の一般的な慣行に従い、今月20日に中田選手のコメントを公表し、移籍前の会見は控えさせて頂きました」と会見を行わなかった理由を説明した上で、「中田選手に『当面の間、一軍・ファーム全ての試合の出場停止処分』を通達しており、退団により当該処分を解除する手続きとなる以上、退団前に皆様への謝罪・説明の機会を設けるべきでした」と謝罪した。
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一方、後半では球団公式ツイッターが4月11日に投稿した同日・オリックス戦前の円陣動画の中で、ある選手がコンゴ出身の父を持つ万波中正に対し「日サロ行きすぎだろお前」と肌の色をやゆするような差別的発言を行っていた件についても謝罪。「今後は監督、コーチ、選手、その他役職員を含む全てのチーム関係者に対してコンプライアンス研修等を実施するとともに管理体制を強化し、再発防止を徹底して参ります」と、今後同様の事例が起きないよう対策を徹底すると表明した。
今回の謝罪文を見たネットユーザーからは「中田の移籍当初から言われてたことを10日も経って、しかもサイト上で謝罪するなんて全く誠意が感じられない」、「『ほとぼりが冷めるまで少し待とう』って魂胆が見え見えで気にくわない」、「謝罪すらも会見無しとかもう呆れて何も言えないな」と、中田の件に対する対応としては不十分だという不満の声が挙がっている。
一方、中田の件と同時に万波の件を謝罪したことについても、「4か月以上前の問題を今謝罪するのはさすがに遅すぎる」、「中田の件と合わせて万波への差別をサラッと流そうとするな」、「再発防止を徹底する前に、誰が何のために発言したのか明らかにしろ」、「もしかして球団は動画削除だけで済ませる気なのか?」といった批判が相次いでいる。
「万波への『日サロ行きすぎだろ』発言は当初から『これって明らかな人種差別だろ』、『誰も注意しないなんてこのチームは腐ってる』と少なからず批判が挙がっていましたが、中田の件もあってか8月に入って再注目されるようになり一気に炎上状態に。これを受け球団は8月18日に公式ツイッターに投稿していた円陣動画を削除しましたが、発言した選手やその意図については特に発表はしていません。今回の掲載文でも球団は詳細については触れていない上、中田の件と合わせる形で言及していることから、球団はこのまま問題をうやむやにしようとしているのではないかと不信感を抱いているファンも少なくないようです」(野球ライター)
掲載分の最後には「当球団として『ファンサービスファースト』の原点に今一度立ち返り、皆様から愛される球団を目指して、活動を見つめなおして参ります」と記している日本ハム。ただ、一部からはこの一文に対しても「こんな謝罪文出してファンから愛されるようになるわけ無いだろ」、「リスクマネジメント下手すぎて今後も不安しかない」と厳しい声が挙がっている。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
北海道日本ハムファイターズの公式サイトより
https://www.fighters.co.jp/
北海道日本ハムファイターズの公式ツイッターより
https://twitter.com/FightersPR