事件当日、女性が家出をしたのは午前0時40分頃。家事の分担をめぐり婚約者と口論になり、スマホと家の鍵だけを持って家出をした。しかし、そのわずか20分後に女性から婚約者へ「助けて!」「警察を呼んで!」と電話があった。その際、婚約者が居場所を聞いたものの女性の声は聞き取れず、そのまま通話が切れたという。
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心配した婚約者が同1時3分頃に警察へ通報し、2日後に公開捜査が開始されたが、女性が発見されたのは行方不明になってから3週間以上たった5月28日の午後4時過ぎだった。公園を散歩していた近隣住民が、下着姿で遺体となった被害者を発見。被害女性の自宅からわずか700メートルほどの距離だった。
腐乱が進んでいる遺体の状態や、放置された場所の状態からみると、行方不明になってから3日以内に死亡し、現場に遺棄されたと考えられている。しかし、現場は5月6日から5月22日まで4回も捜索が行われていた。殺害・遺棄されたとみられる5月上旬から、3週間以上経過してから発見された点は大きな謎だ。
婚約者の男性は、女性の持つ携帯電話の最後の発信履歴に残っていたこともあり、一時は重要参考人となった。しかし、その後遺体発見現場から3キロ離れた場所に住む別の男が容疑者として浮上。別件(住居侵入罪)で過去に逮捕された際、採取されたDNAと遺体発見現場に残っていたDNAが一致したのだ。
警察が事情聴取のため、容疑者の自宅に向かったのは9月下旬。しかし、車で帰宅した容疑者に事情を聞こうとすると警察を振り切って車で逃走。さらにその2週間後、容疑者は仁木町の橋の欄干から首を吊って死亡した姿で発見された。自殺とみられているが、遺書などは一切見つかっていない。
容疑者が判明したものの、死亡により書類送検及び不起訴処分となった。事件から5年以上経過した今も、被害女性との関係や殺害の意図など詳細は明確になっておらず、真相は迷宮入りしたままだ。