芸人は、食えない時代は誰しも生活費を切り詰める。売れておごる立場に逆転すると、金遣いは派手になる。しかし、吉田の場合はどケチなまま。芸人という不安定収入者がこの先も家族を養っていけるか不安で、生活水準をさほど変えない。慕ってくれる後輩との飲み会には、信じられないルールがある。
>>経済回復のために「オリンピックをせなあかん」ブラマヨ吉田の持論にツッコミ殺到<<
そもそも、「焼酎を飲めないやつはダメ」というのが大前提。吉田がオーダーする焼酎のボトルをシェアして飲むのが決まりで、単品のアルコール、単価が高いワインのフルボトルはご法度。それだけではない。フードも頼んではいけない。そのため、声をかけられた後輩は食事を済ませてから出向く。そのせいか、およそ10年にわたって仕えている烏龍パーク・橋本武志、すゑひろがりず・南條庄助、ネイビーズアフロ・みながわは、おしなべて細身だ。
地獄の飲み会のため、新規メンバーはほぼ皆無。吉田の金言を聞きたいために“スポット参戦”する後輩が現れても、長続きはしない。橋本のようにかつては週5ペースで付き合う後輩は、レアケースだ。橋本は、吉田の参謀のような存在。女性も参加する飲み会があると、実にいいあんばいの立ち回りをして、吉田の好みを会話や雰囲気で把握。その後のアバンチュールがあるかないかまで、読み解く。
2人は、小芝居も打つ。吉田は飲みに行く前にスマホでクーポン券が使える店を検索して、予約を入れる。店に到着するとスマホごと橋本に渡し、勘定のタイミングになると、橋本が「吉田さん、これありますけど」と割引ページの画面を開いて見せるのだ。
「吉田さんはそれを見て、『かっこ悪いなぁ。そんなん出すなやっ!』と太っ腹な先輩気取り。『店員さん、ほんますいませんねぇ』と愛想よく接して、好感度を上げるのです。この猿芝居を毎回するそうです」(お笑い通の芸能ジャーナリスト)
庶民派居酒屋でクーポンを使用するM-1王者は、吉田だけかもしれない。
橋本は、台風の日に大阪屈指の繁華街・難波でナンパするよう指示されたこともある。当の吉田は自宅で待機。いっこうに橋本から連絡がなかったため、サボっているのではないかとこっそり偵察に行くと、強風で傘をひん曲げながら奮戦する橋本がいた。
それでも途絶えることがない師弟関係。この実話を月収3ケタ男の吉田がするから、笑えるのだ。
(伊藤由華)