第1試合は、ヤングライオンの上村優也が、前日の鈴木みのる戦に続いて、現IWGPタッグ王者ザック・セイバーJr.とシングルマッチで対戦した。試合は上村がザックのテクニックに食らいついていく展開に。終盤、上村は閂スープレックスを狙うも、ザックは切り抜けると変形のサーフボードストレッチ、セレクテッド・テクニカル・ワークス 2004-2013を決め、貫禄のギブアップ勝ち。最後は上村の肩をポンポンと笑顔で叩く余裕を見せている。
バックステージでザックは「あの野郎……俺の腕は“麺”でできてるんだから、あいつに壊せるわけがない。俺の体の85%が麺だ。生意気な野郎だ。(日本語で)ジョウズね。(英語に戻って)あいつのテクニックは凄いよ。でも俺を倒せるほどではないってことだ。二人ともさっさと海外遠征に行かせるべきだったのにな。俺から一つ提案だ。ユーヤは俺の道場に来い。テッカーズの全てを叩き込んでやる。俺のテッカーズはオーガニックで、ヴィーガンで、大豆でできてるんだ。あの野郎、ちょっとイケメンだからって生意気過ぎないか?ツジはブサイクだし、態度もデカくない。ユーヤは俺にフジナミ(藤波辰爾)の技を使おうとしてきた。俺にとってはよく知り尽くしてる技の一つだけどな。フジナミが見てたらどう思っただろうか。これからビールでも飲んで、腕をアイスで冷やすとするか。気持ちを落ち着かせないとあの野郎を殺しかねないからな」と上村を評価したのかどうかは定かではないが、上村はザックにこれだけのコメントを出させるぐらいの爪痕は残したということだろう。
一方、敗れた上村は「僕の今の技術じゃ、ザック選手の足元にも及ばないです。クソッ!またすぐに彼の前に立って、ギブアップ言わしてやる!ありがとうございました」とかなり悔しい表情を浮かべていたのが印象的だった。コロナ禍において、なかなか海外遠征が厳しい情勢になっているが、現在の新日本は海外でも経験出来ないようなスター選手とのシングルマッチが組まれるだけに、上村も辻陽太も新日本のリングで成長していくのは悪くない。かつての棚橋弘至がそうだったように。
◆新日本プロレス◆
『KIZUNA ROAD』
2021年6月15日
東京・後楽園ホール
観衆 247人
▼シングルマッチ(20分1本勝負)
●上村優也(12分34秒 セレクテッド・テクニカル・ワークス 2004-2013)ザック・セイバーJr.○
(どら増田)