第2試合では辻陽太が、自身が付き人を務め、入団前から憧れの存在だった棚橋弘至にチャレンジ。辻は果敢な攻めを繰り出し、終盤にはジャイアントスイングからのスピアーで見せ場を作る。だが、棚橋は辻のすべてを受け止めた上で、最後はテキサスクローバーホールドをガッチリ決めてギブアップ勝ち。棚橋が貫禄を見せつけている。
バックステージで棚橋は息を弾ませながら、「座ってもいいかな?座ってもいいかな?(と言ってコメントスペースに座り込む)クソ!スタミナのペース配分が、狂ったな。(試合時間)5分…。5分でフィニッシュまで持っていこうと思ってた。それが倍か…!?辻の成長だな…。辻にしろ、上村にしろ、ヤングライオン(の期間)が、ほかの僕たち例年のヤングライオンよりも長くなってる。こういうコロナ禍の状況だから、なんとも仕方ないけども。タメが長ければ長いほど、デッカくて美しい花を咲かすと思うから、腐らずに1歩1歩(進んでもらいたい)。もう1回だ、辻。お前がスター選手になるまで、新日本プロレスのトップレスラーになるまで、俺が残っといてやるよ」と辻との再戦を明言。付き人の成長に目を細めるとともに、自身もトップに居続けることを誓っていた。
辻はコメントスペースで片膝をつきながら、「俺が今、このリングに立ってるのは、まぎれもなく棚橋さんのおかげだ。棚橋さんがいなければ、今の俺はないだろう。感謝なんか言葉じゃ言い表せないぞ。だからこそ、棚橋さん、あなたを超えた時に、俺は本物のプロレスラーになるんだ」といずれ棚橋を倒して恩返しをすることを改めて心に決めたようだ。
辻は15日にタイチと、16日にはオカダ・カズチカとのシングルマッチを控えており、熱望している内藤哲也とのシングル実現に向けて、大きなチャンスが与えられている。
◆新日本プロレス◆
『KIZUNA ROAD』
2021年6月14日
東京・後楽園ホール
観衆 347人
▼シングルマッチ
○棚橋弘至(13分36秒 テキサスクローバーホールド)辻陽太●
(どら増田)