「宇宙人解剖フィルム」は検死台の上に横たわるグレイ型エイリアンと、その解剖手術の様子を収めた17分間の映像で、1947年にニューメキシコ州ロズウェルに墜落した宇宙人の死体を解剖している、という内容だ。
映像の中では、小さなヒューマノイドが診察台の上に横たわり、何者かがそれを解剖している様子が捉えられている。他にも6本指や、奇妙なシンボルが描かれた金属片など、宇宙人の面影がいくつも映っている。1995年8月28日にアメリカのFOXテレビで「Alien Autopsy: Fact or Fiction」というタイトルで初めて公開され、後年日本のテレビ番組でも公開されて話題となった。
当時の映像の持ち主はイギリス人のレイ・サンティリ氏で、彼は1992年に米軍カメラマンからこのフレームを入手したという。注目を集めた「宇宙人解剖フィルム」は、その内容の真偽やサンティリ氏との権利関係に関する諸問題が生じる等の事態が発生した。しかし、後にサンティリはこの映像が本物ではないことを認め、自分が目撃したと主張する本物の映像を「演出された再現」したものであると説明。この結果はあまり明るみに出ることはなく、「宇宙人解剖フィルム」も世の中には「衝撃映像」の一つとして受け取られ消費されただけに終わった。
ところが先日、その貴重なフィルムがオークションに出品されるという発表があった。ビットコイン等の暗号通貨にも使われているブロックチェーン技術を用い、映像の1コマをノン・ファンジブル・トークン(NFT)画像として出品するというもので、画像は我々がよく知る「宇宙人解剖フィルム」の映像とはまた違った角度で解剖の様子を捉えたものとなっている。確かに貴重なワンショットかもしれないが、オークションの入札価格はなんと100万ドル(約1億954万円)から。オークションを企画したサンティリ氏は、これまでに出品された唯一の1コマであると主張しているとのことだ。
>>宇宙人は自分たちの惑星が見つからないよう、優れた技術で隠している!?<<
オークションサイトRaribleは、この商品について次のように説明している。
「地球外生命体の存在をめぐる議論は、CIAがUAPの最も有名な証拠である動画を認証して決着しました。今、初めてその歴史の一部を所有することができます」
一方で、英国のUFO研究家であるフィリップ・マントル氏は、「宇宙人の解剖フィルムのデマについてすべて解き明かしたと思ったら、また新たに別のものが出てきて驚いています。私はこの偽物のフィルムを何十年もかけて調査し、そのすべてを著書にまとめ、さらに4部構成のドキュメンタリーにしました。事実は、この映画が本当に100%偽物だということです」と述べ、このフレームに100万ドルも出す人は愚か者だと非難している。
果たして貴重なフィルムは誰の手に渡るのか。興味は尽きない。
(山口敏太郎)
関連記事
Frame from 'alien autopsy' video goes on sale(unexplained-mysteries.com)より
https://www.unexplained-mysteries.com/news/347387/frame-from-alien-autopsy-video-goes-on-sale
Famous picture of 'alien body' from top-secret film auctioned for £700k(dailystar)より
https://www.dailystar.co.uk/news/weird-news/most-famous-extraterrestrial-evidence-alien-24209059