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故障者続出の巨人、今後の浮沈は“4割男”ウィーラー次第? 交流戦での恩返しにも期待高まる

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 この男の打棒が止まらない。

 巨人のウィーラーは今シーズン、ここまで圧倒的な存在感を見せつけている。3月30日の対中日ドラゴンズ戦より、出場した全てのゲームで安打を放っており、実に18試合連続安打を記録、規定打席未到達ながら打率も4割台を維持するなど、巨人打線を牽引している(記録は5月12日試合終了時点、以下同)。

 ジャイアンツに移籍して2シーズン目を迎え、今やチームの『顔』として定着した感すらある。昨年6月の開幕直後の電撃トレードで加入以降、そのキャラクターでチーム、そしてファンを盛り上げ続けてきた。要所で見せるシュアなバッティングや、豪快なアーチで打線の中核となりリーグ優勝に貢献した。日本シリーズでもチーム全体が沈む中、シリーズでの全4得点中3打点を挙げる活躍で気を吐いた。

 今季もここまでで『助っ人』という呼び名が相応しい、印象に残る場面も多い。4月27日には、スタメン出場のテームズが試合序盤で負傷したことにより、交代でウィーラーがグラウンドに送られている。その後、9回まで本塁打を含む4安打を打ち、途中出場ながら14対11の乱打戦を制する立役者に。

 また、5月11日のベイスターズ戦では、それまで全試合に出場していた坂本勇人が負傷離脱し、前日までクリーンアップを打っていたウィーラーが急遽2番で起用され、ここでも2安打で、主将・坂本不在の緊急事態を乗り越える活躍でチームを救っている。

 何れもチームメイトの負傷というアクシデント後の、嫌なムードを一掃する程の鮮やかなバッティング、プレーでの、今季序盤のハイライトとも言える二つのゲームだった。

 内外野の守備もこなし、完全にセ・リーグの野球に適応したと言えるウィーラー。今月25日からは交流戦も始まり、通算で17本塁打を記録しており、ここでも活躍が期待される。特に古巣である楽天イーグルスとの対戦が楽しみなファンも多いだろう。さらに、成長した姿を心待ちにしているのは、巨人ファンのみならず、5年間にわたって在籍した楽天ファン同様だ。また、メジャー時代の同僚でもある田中将大との対戦もあり得るだろう。

 先月にはコロナウイルス陽性判定での欠場もあったものの、ここまで出場した全試合で出塁を記録するなど、背番号48の頼もしさは増し続けている一方だ。始まったばかりの2021シーズン、絶好調ウィーラーの快進撃はまだまだ続く。(佐藤文孝)

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