報道によると、ソフトバンクでは先発した投手には登板2日後に休養日を設けているというが、首脳陣は登板試合で5回持たずに降板した先発には休日返上で練習をさせることにしたとのこと。既に新ルールの運用が開始されているといい、26日の投手練習には24日・ロッテ戦で「3.1回5失点(自責4)・被安打4・与四球5」と乱調だった高橋礼が参加したという。
ソフトバンクは昨季リーグトップの先発防御率(3.11)を記録したが、今季は同5位(3.99)と今一つ。失点がかさんでいる要因の一つが与四死球数(故意四球含む)の増加で、昨季の先発平均が「2.72個」に対し今季は「3.15個」と悪化している。首脳陣の新ルール設定は、先発陣の制球力を改善し安定して試合を作ってもらうことが狙いとみられる。
今回の一件を受け、ネット上には「先発が早期降板すると、その分野手やリリーフに負担がかかるわけだしこれは妥当」、「先発以外の部分でカバーできてる今のうちに危機感を持たせるのは理に適ってる」、「5回投げられない先発が続出したら後半戦にも響くから、危機感を持たせるためにはいいルールだと思う」といった反応が多数寄せられている。
一方、「不調だった投手に休み与えないのは逆効果では」、「なんか懲罰みたいな感じがするから止めてほしい、そもそも早い回で降板した投手が休み返上で練習したところで何か変わるのか?」、「休み返上は投球イニングじゃなくて四死球の数で決めてほしい」といった否定的なコメントも複数見受けられた。
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「ソフトバンクは26日終了時点でここまで先発起用された8名の投球イニング数がリーグ4位(144回1/3)で、勝敗も7勝8敗と負け越し。そのため、今回の新ルールは先発が試合を作れないようではシーズンを勝ち抜けないという首脳陣の危機感の表れだと思われます。ただ、投球イニング数の多寡にかかわらず、先発投手にとって休養日は疲労を抜くため、次回登板に向け気持ちを切り替えるための大切な時間でもあります。その時間を強制的に練習に充てられるとなるとモチベーション低下や、蓄積疲労による故障などを招いてしまう可能性も否定はできないでしょう」(野球ライター)
先発陣が不安定な一方、チーム打率(.267)、救援防御率(2.44)はどちらもリーグトップのソフトバンク。野手・リリーフが先発の不調をカバーしている中で敷かれた新ルールは、今後先発陣の投球にどのような影響をもたらすのだろうか。
文 / 柴田雅人