「ノーコン病、再発。前々回の登板からちょっとおかしかったんです(16日)。ボールがスッポ抜けて、右バッターを直撃しそうな投球が出始めて」(プロ野球解説者)
矢野燿大監督は「ファームの方が練習でも試して、実戦でもやれる期間が作れるから」と説明していたが、藤浪の性格を考えると、二軍再調整は良策とは思えないが…。
「藤浪は考えすぎるところがある。納得がいかないと何もできないというか、理詰めで物事を進めていくタイプ」
多くの関係者がそう語っていた。
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今季はキャンプから高いパフォーマンスを見せ、開幕投手にも抜てきされた。しかし、開幕から1か月を過ぎたころというと、投手陣は疲労が蓄積するからか、調子を落とすケースが多い。藤浪も疲れがたまっていたとは思うが、同時に“ノーコン病”を再発。つまり、「何も変わっていなかった、技術的な何かを得たわけではなかった」とも解釈されたのだ。
23日の背信投球を指して、こんな指摘も聞かれた。
「走者のいない場面でもセットポジションで投げるなど、色々とテストしていました。今季は両腕を大きく頭の上まで挙げるワインドアップ投球に戻したはず。それを試合中にやめて、セットポジションに切り換えたくらいですから、自分でも『おかしい』と思ったんでしょう」(球界関係者)
矢野監督を始めとする阪神首脳陣の言葉を借りると、「投球動作のタイミングが合っていない」とのこと。では、藤浪は二軍でどんな調整をしていくのか、具体的な練習メニューについて聞くと、「本人に全て任せる」というのだ。
藤浪は、多くの関係者が指摘するように考えすぎるタイプだ。考えすぎて、また“ドロ沼”にはまってしまいそうだ。
「藤浪も『タイミングが合っていない』と思っています。この点では首脳陣と考えが合致しています。二軍では色々とテストし、修正個所を見つけていく、と」(前出・関係者)
阪神首脳陣が「ここがおかしい」と具体的に指摘すれば、一軍復帰も早まるのだが? プロ野球組織のコーチが所属投手の修正個所を明確な指摘できないはずがない。矢野監督は、あえて藤浪に自分で考えさせようとしているのだろうか。
「20-21年オフ、藤浪は臨時コーチを務めた山本昌氏を何度も訪ね、食事もしています。一番の相談相手だと思います」(前出・同)
先発スタッフの顔ぶれを見ると、仮に藤浪が長期離脱することになっても、大きな影響は出ないだろう。しかし、「中継ぎ投手陣が登板過多になっている」と、現在のチーム状況を懸念する声もないわけではない。
“開幕投手”とは、チームの顔だ。今回の降格が過密日程となる5月以降に影響を与えそうだ。(スポーツライター・飯山満)