これは大仁田が日本国内で行っている電流爆破のノウハウなどを輸出するわけではなく、あくまでもAEWが独自で考案して実施するもの。ただ、同団体では爆破マッチ開催にあたり、創始者の大仁田に敬意を表して、“立会人”としてオファーした。しかし、コロナ禍で渡米した場合、帰国した際に2週間の自主隔離が求められる。大仁田はかつてのライバルである故ミスター・ポーゴさんが設立したWWSから21日の群馬・伊勢崎市第二市民体育館大会へのオファーを受けていた。AEW行きを選択した場合、WWSへの参戦が困難になるため、亡きライバルとの“友情”を優先し渡米は断念した。
AEWは19年5月に旗揚げした新興団体ながら、クリス・ジェリコ、ランス・アーチャー、コーディ・ローデス、スティング、ダスティン・ローデス、マット・ハーディ、ザ・ヤング・バックス(マット・ジャクソン、ニック・ジャクソン)といった錚々たるメンバーが在籍。米国内ではWWEに対抗する勢力として急躍進した大手の団体。ケニーは昨年12月、モクスリーを破ってAEW世界王座を戴冠したが、その決着戦の舞台で、有刺鉄線電流爆破デスマッチを要求。米国での電流爆破デスマッチは、2017年8月5日(同6日)にハードコア団体CZWが大仁田らを招へいし、大仁田、雷神矢口、保坂秀樹とマット・トレモント、リッキー・シェーン・ペイジ、ダニー・ハボックが1度だけ行われており、今回が2度目となる。
大仁田は「AEWはできたばかりだけど、世界最大手のWWEに対抗しようとする団体で、メジャーと言ってもいいでしょう。その団体が俺が作った電流爆破を団体最高峰の世界王座を懸けてやるというのは光栄に思います。本来なら、米国に行って、直接この目で見てみたかったんだけど、ポーゴさんへの義理立てもあって断念しました。AEWがどんな電流爆破を見せてくれるか楽しみにしてます。メジャー団体のAEWが、そして米国が電流爆破という試合形式を認めてくれたことに敬意を表したい。米国に認められたってことは世界に認められたようなものだから。コロナが落ち着いたら、俺がAEWに乗り込んで電流爆破をやってもいいし、日本で本家である俺のホンモノの電流爆破でAEWの選手と闘ってみるのもいいかもしれない」とコメント。いずれはAEWで電流爆破マッチを行うプランがあることを明らかにした。
AEWでの電流爆破開催は、日本での特許を保有している大仁田の許可を得ているのか注目されていたが、AEWは大仁田と交渉していたことが大仁田の口から明かされただけに、この試合は本家公認の電流爆破マッチとして行われると言っても良いだろう。
(どら増田)