武藤は昨年からフリーとしてノアのビッグマッチを中心にレギュラー参戦。今回の契約もビッグマッチ中心のものになっている(2年契約)ようだ。12日に開催されたノア東京・日本武道館大会ではメインイベントで、潮崎豪のGHCヘビー級王座に挑戦した。両膝が人工関節で58歳とは思えぬ素晴らしい試合を展開。30分近い激闘を制し、新日本プロレスのIWGPヘビー級、全日本プロレスの三冠ヘビー級に続き日本プロレスメジャー三大タイトルを制覇するグランドスラムを達成している。
会見で武藤は「このコロナ禍の中、こうやってノアと契約できたことをうれしく感じます。このリングで朽ちていくのか分からないが、契約したからにはこの団体に骨の髄までしゃぶってもらいたいと思っています。以上です」とコメント。
武藤にとってはシングルマッチがかなわなかった“永遠の恋人”であり、ノアの創設者である故・三沢光晴さんの団体に入ることに関しては「たぶん三沢社長が築き上げたときのノアとだいぶ違ってて、このコロナ禍の中でも非常に未来を感じさせる興行をしているというか、こういう団体で試合したいなって俺自身思ったんですよ」と口に。昨年4月からのレギュラー参戦が入団の決め手になったようだ。
また団体が掲げる業界ナンバーワンについては「俺は自分がナンバーワンのレスラーだと思ってるから、ナンバーワンの選手を抱えたからにはナンバーワンの組織になってもらわなきゃ困る」とも発言。12日の潮崎戦は年間ベストバウトの呼び声も高いだけに、武藤の加入は業界ナンバーワン奪取を宣言しているノアにとって過去最大の大型補強であることは言うまでもない。
GHCヘビー級王座の初防衛戦は、3.14福岡・福岡国際センターに決まった。この会場は武藤がIWGPヘビー級王者時代に数々の名勝負を繰り広げてきた縁起の良い会場だ。対戦相手は日本武道館大会の試合後、挑戦表明してきた“ノアの未来”清宮海斗。清宮とは昨年8月に対戦し、ドラゴンスクリューを封じられるなど手こずる場面もあったが、27分超えの試合で武藤がまだ健在であることをアピールした試合だった。
武藤は「初防衛戦としては安パイ」と早くも清宮をけん制。ワールドワイドな活動をしてきた武藤のもとには、世界中から「防衛戦をやってほしい」というオファーが舞い込んでいるという。
プロレス界に何度目かの武藤フィーバーが起こり始めている。
(どら増田)