会見に先立って、“鉄人”小橋建太氏がこの一戦の特別立会人を務め、動画配信サービス「WRESTLE UNIVERSE」で解説することが発表された。
冒頭、秋山は「ヒザの手術がありまして、前哨戦は1回ということで、闘って盛り上げることができなかったんですけど、チャンピオンは僕に辛らつな言葉を投げかけてくれたり、小橋さんのところに行ったりして、よく盛り上げてくれた。当日は小橋さんが立会人ということで、チャンピオンが呼んでくれたのかな?小橋さんが立会人のときは、ほぼすべてタイトルマッチは勝ってるんで。それも分かったうえで呼んでくれてるのかどうか分かんないですけど、小橋さんの前でいいところを見せられるように頑張りたいと思います」と小橋氏の前での戴冠に自信を見せた。
遠藤は「最高の舞台が整いました。挑戦者が秋山選手に決まって約2カ月間、俺ができることはすべて行いました。秋山選手は今、俺の手のひらの上で踊らされています。先ほども秋山選手が言った通り、小橋さんの元に行って秋山さんの弱点を聞いたり、トレーニングを見ていただいて鍛え直していただいて、立会人、会場に来ていただくことをお願いしたら快く引き受けていただきました。俺の心の中にはしっかりと“青春の握り拳”があります。小橋さんの前で秋山選手がほとんどの試合に勝ってると言いましたが、歴史が変わる瞬間をお見せします」とこちらも自信をのぞかせた。
遠藤が小橋氏の元を訪ねたことについて、秋山は「ちゃんと教えてもらえたのか心配でしたね。小橋さんは天然なところがあるんで。案の定“青春の握り拳”を教わったと、そんなヒマがあったらもっと違うことを教えてほしかったなと。彼が“青春の握り拳”をやった時点で僕の勝ちですよ」と遠藤をけん制。
唯一のシングル戦(「D王 GRAND PRIX 2021」公式戦=昨年11月22日、東京・後楽園ホール)で勝っている遠藤は「僕の中で秋山選手に勝てるという確証が持てたので。ただそこで自分に甘えずに、勝つのは当たり前なので、さらにその上、この闘いを世間に届かせる。去年は(プロレス大賞の)技能賞を獲りましたけど、そのさらに上がありますよね。そこに遠藤哲哉がノミネートされても見ているみなさんが違和感を感じない、そんな試合をお見せします」と勝利を確信している様子。
先日、小橋氏からベルトの新調を勧められていたが、遠藤は「ベルトが年季が入ってくすんでいると言われてしまったので、俺が防衛した暁にはベルトを作り直します。もちろん小橋さんのおっしゃっていたように純金で新しいKO-D無差別級のベルトを作ります」と明言した。
一方、遠藤が訪問した報告を小橋氏から受けていないという秋山は「小橋さんのところに行って、弱点を聞きに行ってる時点で俺の勝ち。技能賞を獲ったということで、プロレス大賞ではIWGP、GHCと、このKO-D。彼が十分上げてくれたので、それをより高みに持っていくのが俺の仕事かなって思います」とした。王座奪取後の青写真を既に描いているようだ。
会見では両者の意地が激しくぶつかり合ったが、川崎決戦ではリング上で火花を散らすことは必至。プロレス界にとっても注目の一戦である。
(どら増田)