番組を象徴するコーナーといえば、「熱湯コマーシャル」である。番組のなかで宣伝(コマーシャル)したい人が登場し、熱湯風呂に入り我慢した秒数だけ宣伝できるというものだ。
この熱湯コマーシャルは一般人のほか、多くの芸人・タレントもえじきになっているが、なかには熱湯風呂の熱さや、自身への扱いの悪さに激怒するタレントも多かったようだ。
激怒したとされるのが、タレントで漫画家の蛭子能収である。
蛭子は1992年ごろから番組のレギュラーだったが、時折熱湯風呂に落とされることもあった。番組の記念すべき700回スペシャルで、蛭子が我を忘れて「ブチキレた」とされる。
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その日、番組は整体師を呼び、股間に熱いコンニャクと冷たい氷を交互に乗せ精力アップを図るという怪しい整体法「逆立ち金暖金冷整体」を蛭子に仕掛けた。
自分で逆立ちができなかった蛭子は周囲に体を支えてもらい、パイプ椅子に首を固定し逆立ちの体勢をキープ。だが、股間に熱いコンニャクを押し付けられた蛭子は大暴れし、整体は失敗に終わった。その際、首が痛かったのかコンニャクが熱かったのか不明だが、蛭子はパイプ椅子を手で突き飛ばし周囲を威嚇した。
さらに、ダチョウ倶楽部の上島竜兵がアツアツの煮汁を入れたヒシャクを蛭子に持っていき、かけようとしたとところ、蛭子は上島に殴りかかり、さらにパイプ椅子を持ち上げ殴打しようするそぶりを見せた。
だが、このときの蛭子は終始ニコニコと笑顔を絶やさず、このシーンは無事に放送された。このシーンは伝説として現在も語り継がれている。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)