セ・リーグが2021年のペナントレースの日程を発表した(1月25日)。DeNAは敵地・東京ドームで開幕戦を迎える。その後、本拠地・横浜スタジアムに帰り、東京ヤクルト、広島と戦い、バンテリンドーム(ナゴヤドーム)で中日戦を、そして、また、横浜スタジアムに戻って矢野阪神と激突する。
三浦監督はセ・リーグの他5球団と一巡するこの「ホーム9試合、ビジター6試合」で勝ち越し、優位に序盤戦を進めたいと思っているはずだ。しかし、三浦監督は“這い上がっていくオトコ”なのかもしれない。
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7敗、NPB史上ワースト2位タイ。三浦監督が現役時代に作ってしまった「開幕戦」の記録だ。
「三浦監督は現役時代、開幕投手を7回務めました。しかも、7戦7敗。要するに開幕戦で勝ったことが一度もないんです」(プロ野球解説者)
三浦監督が初の栄誉を掴んだのは、1999年。ヤクルト戦だった。02年にまた大役を務めたが、広島に敗れた。04年以降は4年連続で選ばれてきたが、ヤクルト、中日、そして巨人とは2回続けて敗れている。最後の開幕投手となった09年も中日打線を抑えられなかった。
「三浦監督は打線の援護に恵まれず、開幕戦で勝てなかったというイメージです。05年の中日戦では9回にアレックス・オチョアにサヨナラ満塁ホームランを食らいました。8回まで無失点に抑えていたのに、です。開幕投手での連敗スタートとなった広島戦も好投し、唯一、釣瓶打ちにされたのが06年の巨人戦でした」(前出・同)
監督となって初めて迎える開幕戦は、「開幕投手」とは異なる緊張感もあるだろう。
“初陣に弱い”というイメージを、監督となって払拭してもらいたいものだ。
また、奇しくも開幕ゲームという舞台でぶつかっていない阪神戦にも、「遺恨」があるようだ。
「07年シーズン、三浦監督は『35イニング連続無失点』の記録を作りました。これは球団新記録として、今も抜かれていません」(ベテラン記者)
その連続無失点の記録が途切れたのは、同年7月27日。甲子園球場での阪神戦だった。しかも、記録を終わらせる「1点」は、矢野燿大監督のバットから生まれていた。
「打ち損じの打球が一塁手の前に転がりました。でも、運良く(?)、ボールが一塁ベースに当たって、ヒットになったんです」
当時を知る関係者によると、矢野監督は一塁ベース上でニンマリし、三浦監督はマウンド上で苦笑いしていたという。
「三浦監督は解説者時代、関西のテレビ局でも仕事をしていた関係で、当時のことを矢野監督に質問しています。お互い良い思い出のようでしたが」(関係者)
現役時代、開幕ゲームに勝ったことのない三浦監督とすれば、その負の連鎖を止めておきたいはず。開幕戦でサヨナラ満塁弾を食らった05年、三浦監督は最優秀防御率のタイトルを獲得している。「這い上がっていく」のイメージが強いのは、負けても向かっていくという投球スタイルによるものだろう。チームに所信表明をするのはキャンプ前夜の1月31日。三浦監督はどんな言葉でチームを奮い立たせるのだろうか。(スポーツライター・飯山満)