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巨人、守備位置が被る助っ人をダブル獲得したワケ 原監督が画策する“プラトーン作戦”とは

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原辰徳監督

 不思議な縁で結ばれていたようだ。原巨人の新外国人選手に関する情報が飛び込んできたのは、2020年の年末だった。

 韓国球界も経験したエリック・テムズ内野手(前ナショナルズ/右投左打)と大筋で合意したとのこと。近年のテムズは右投手との対戦する時に限って出場していたプラトーン選手。パワーヒッターではあるが、「連覇、打倒ソフトバンクをめざす上では、ちょっと頼りないが?」というのが、第一報を聞いた時の感想だった。

 そのテムズ巨人入りの一報の翌日だ。今度は20年シーズン、ブルワーズ、SFジャイアンツを渡り歩いたジャスティン・スモーク内野手(左投両打)の獲得に向け、調査を進めているという。
 「スモークは17年シーズンに38本塁打を放ち、米球宴にも選ばれました。近年は若手に出場機会を奪われておりますが」(特派記者)

 メジャーリーグでの成績がそのまま日本プロ野球界で反映されるわけではないが、こちらもパッとしない。

 「テムズは一塁と外野が守れます。スモークは一塁のみ。外野もできるとは思いますが、近年は外野守備に就いたことはないはず」(前出・同)

どちらも長打を売りにしているパワーヒッターだが、守備位置が重複する。しかし、この2人が一緒に巨人入りすることになれば、米国の野球ファンは驚くのではないだろうか。

 「19-20年オフ、テムズ、スモークが同じ記事内で報じられたことがありました」(米国人ライター)

 当時、テムズはブルワーズに残るかどうかの交渉中だった。結果、テムズは新天地を求めることになるのだが、そうなると、ブルワーズはテムズの代役を探さなければならない。そこで、ひと足先にブルージェイズからフリーエージェントになっていたスモークの名前が報じられたのだ。

 「スモークは若手の台頭でブルージェイズを追い出されたようなもの。二つ返事でブルワーズのオファーを快諾しましたが」(前出・同)

 しかし、スモークはブルワーズで活躍できなかった。シーズン途中で契約解除となり、その後、すぐにSFジャイアンツに拾われたが、故障も重なって20年シーズンは散々な結果となってしまった。

 ブルワーズの地元・ミルウォーキーでは「テムズが残留していれば、スモークの獲得はなかった」と認識されている。

 >>元巨人・岩隈氏に「そんなに消極的だったとは」驚きの声実は早期降板を願っていた? MLB時代の快挙の裏話を明かす<<

 両選手とも、ここ2、3年は好成績を残していない。おそらく、今回の巨人入りが“一軍選手扱い”してもらえる最後のチャンスだろう。

 「一塁の守備で中島宏之、ウィーラー、テムズ、スモークが重複し、左翼でもウィーラー、テムズ、亀井らが重複します。右打ちのウィーラー、中島と、左打ちのテムズをプラトーンで起用するビジョンも予想されますが、セ・リーグの指名打者制導入を見越しての重複補強かもしれません」

 日本のプロ野球解説者がそんな予想もしていた。テムズ、スモークの両方を獲得するのではなく、2人分の年俸でワンランク上の外国人選手を探した方が良さそうだが? (スポーツライター・飯山満)

※外国人選手のカタカナ表記は「メジャーリーグ選手名鑑2020年」を参考にいたしました。

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