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巨人、左の先発・リリーバーに課題が? 意味深な背番号変更に隠された原監督の思惑とは

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原辰徳監督

 原巨人のオフの恒例行事と言っていいだろう。2020-21年オフも、背番号のシャッフルが行われた。

 注目は、「26」と「47」。今村信貴投手が巨人の左エースナンバーでもある「26」を継承し、20年シーズンにその「26」を背負っていた高橋優貴投手が「47」を付けることになった。

 「背番号の変更は、基本的に原辰徳監督が一人で考え、当該選手に通達しています。その背番号を付けた歴代選手のこと、期待している旨も話しながら」(球界関係者)

 今回のシャッフル劇には“チームの弱点”も隠されていたようだ。

 「20年後半、今村が頑張りました。チームの弱点である先発投手の駒不足を補う一人として、期待しているのでしょう。同時に、26番を与えたということは『左の先発要員』として認められたんです」(前出・同)

 「26」は、埼玉西武ライオンズに移籍した内海哲也投手が付けていた。その内海が巨人を去った18-19年オフ、チーム内で今村のことが話題になっていたという。

 「今村、凄く良いよ。今年はやってくれそう」

 オフの期間、選手たちは何人かのグループになって練習をする。今村は内海のグループに加わることが多かった。18年、開幕から初めてローテーション入りした。自信もついたのだろう。キャッチボール一つでも、ボールのキレ、そのボールの回転数などで成長を認められていた。

 「内海の自主トレグループに加わっていた若手の今村がその背番号を継承するのも、運命的ですね」(ベテラン記者)

 20年シーズン、先発を務めた主な投手は、菅野、戸郷、サンチェス。左投手ではメルセデス、田口麗斗もいたが、故障や不振でシーズンを通してローテーションを守ることができなかった。「左のエースになってくれ!」の期待が今村に向けられているのだろう。

 しかし、その「26」を付けていた高橋はどうなのか。「47」は、工藤公康(現ソフトバンク監督)、山口鉄也(現ファームコーチ)もつけていた。特に、西武、ダイエー、巨人、横浜を渡り歩いた工藤の影響で、他球団でも左投手が背負うケースが多い。

 「原監督が復帰してからの2年間、47番を背負ったのは、吉川光夫、藤岡貴裕。ともに左投手です。2人に対し、原監督は『左のセットアッパー』という役どころを伝えていました」(前出・関係者)

 原監督が日本シリーズで敗れた後、「もう一度、チームを作り直す」と言った。第三期政権になって、今、チームにない“ピース”。それは、山口鉄也のような左のタフネス・リリーバーだ。21年、高橋はリリーフに専念するのではないだろうか。

 「高橋は18年ドラフト会議の1位指名投手ですよ。ドライチは先発で育てるのが一般的」(選出・ベテラン記者)

 近年のプロ野球では、先発とリリーバーで「どっちが格上か?」という評価はなくなった。どの球団も9回最後のマウンドを締めるクローザーを最初に決める。近年では「クローザーに繋ぐ7、8回のセットアッパー」にも重きを置いており、その観点で言えば、第二期政権での10年間で6度の優勝、日本一2回を果たせたのは、左のセットアッパー・山口がいたからだ。高橋を“令和の山口”に育て上げようとしているようだ。

 現チームの弱点は左の先発不在と、タフネスな左腕リリーバーがいないこと。今回の背番号のシャッフルには、今村、高橋への期待が込められている。高橋にリリーフの適性がなかった場合、「ドライチは先発候補」という前時代的発想で、原監督は大バッシングを浴びるだろう。「26」と「47」が、2021年のキーナンバーになりそうだ。(スポーツライター・飯山満)

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