権利行使直後に巨人、ヤクルトの2球団が獲得に手を挙げ、6日にそれぞれの球団と交渉していた井納。どちらの球団も年俸1億円規模の複数年契約を提示したとみられていたが、報道によると井納は10日までにヤクルト側に断りの連絡を入れ、その後巨人側へ入団の意思を伝えたという。
巨人は前日10日にDeNA・梶谷隆幸の獲得が決定的と伝えられており、これで同一チームからのダブル補強が実現。手薄な外野手、先発陣の底上げはもちろん、ここ3年で「35勝38敗」と負け越しているDeNAの戦力をそぐことも狙いとみられている。
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今回のダブル獲得を受けネット上には補強成功を喜ぶ巨人ファンの声が多数寄せられているが、一方で他球団ファンからは「投打の主力を同時に引き抜くとは、これでますます巨人が嫌いになった」、「移籍は選手の自由だが2人も引き抜かれるのはやっぱり腹立つ」、「どうせ獲るなら(日本シリーズで)8タテ食らったソフトバンクの選手を狙えよ」といった反応が多数寄せられている。
一方、「ラミレス、グライシンガーを両方引き抜かれたあの時のウチと同じだ」、「13年前の強奪劇は結果につながらなかったから今回も二の舞になればいい」と憤るヤクルトファンのコメントも複数見受けられた。
「巨人はリーグ優勝したもののCSで中日に敗れた2007年オフ、ヤクルトから主砲のラミレス、助っ人エースのグライシンガーを同時獲得。横浜から引き抜いた守護神・クルーンを含めた“助っ人トリプル補強”を敢行しましたが当時のファンからは大ひんしゅくを買い、中日・落合博満監督(当時)も『巨人の選手だって「なんでだろう」と思っている選手はいるはず』と疑問を呈していました。なお、同一リーグ相手の大補強を敢行した結果翌2008年の巨人はリーグ2連覇を果たしましたが、日本シリーズでは西武に敗れ日本一はなりませんでした。そのため、今回のダブル補強も同じ末路をたどるのではと予想しているファンも少なくないようです」(野球ライター)
外野は丸佳浩以外レギュラーが不在、先発はエース・菅野智之がポスティングでのMLB移籍模索中というチーム事情を考えると理にはかなっている巨人のダブル補強。批判も多い戦力底上げは果たして吉と出るのだろうか。
文 / 柴田雅人