>>前編:<実録! 不倫カップルの顛末>会うのを禁じられた友人に湧き上がる醜い衝動<<
「S司さんと会えなくなり、初めて“会いたい”とLINEを送ってしまったんです。一瞬、後悔はしました。でもすぐに、“俺も”と返信がきて、その思いは消え去りました。私のなかで、カッと何かが熱くなるのを感じました。
夫に会うことを禁じられたなかでの密会。なじみのお店で食事をしましたが、いつもと違うのは、お互い口数が少なかったこと。そして、さほど長居はせずに店を出ると、どちらからともなく、足がホテルの方に向かっていました。私たちは、出会って10年近い月日を経て、初めて結ばれたんです」
もう会えないかもしれないという思いが、胸の奥にあった欲求をかき立てた。それは本当は、ずっと以前から抱いていた感情だったのかもしれないと気付く。
「激しく求め合いました。今までにない興奮を味わいました。そして、名残りを惜しみつつ、その日は別れました。それからも連絡は取り合っていて、“早く会いたい”“君を抱きたい”と今までのやりとりからは考えらえないような大胆なメッセージを送り合いました。
でも、次に会う約束をしていた日の前日、S司さんから電話がきたんです。珍しいなと思って出てみると、女性の声が……。S司さんの奥さんでした。奥さんは私の存在を知っていたし、認めてくれていたんですが、“もう会わないでほしい”と言われました。おそらく、関係性が変わったことに気付いたんでしょう。女性の目はごまかせません。私は、たった1度の過ちで、よき理解者であったかけがえのない友人を失ってしまいました」
以来、2人は会うどころか連絡も一切取っていないそう。由香里さんに後悔はあるものの、「遅かれ早かれこうなることになっていたのかも」と複雑な思いをのぞかせていた。
文/恋愛ライター・塚田牧夫
写真/Dannyqu