>>中日・大野の歴史的快投に「誰よりもすげ~」川上氏らOBから称賛相次ぐ、立浪氏は好投の要因を分析<<
アメリカの野球専門メディア、それもメジャリーグ各球団のオフの移籍、補強情報に力を入れている「MLBトレードルーモアズ」が、ポスティングシステムによる大野のメジャー移籍の可能性を報じた(11月6日/現地時間)。
「かつて、中日に在籍したチェン・ウェイン投手が日本球界の千葉ロッテに途中加入し、好投しました。チームのCS進出に貢献したことを伝えるため、日本球界のことを調べていたら、大野投手のことを掴んだと聞いています」(米国人ライター)
米国メディアの日本球界に関する取材ルートだが、米30球団の担当スカウトによる視察内容を聞き出すことがメインとされている。現時点で米スカウトの関心は「巨人・菅野智之投手」だが、ポスティングシステムによる米球界挑戦が囁かれている日本人選手はほかにもいる。
前述のスポーツサイトは米スカウトの口から大野の名前を聞き、その周辺を調べたのだろう。
<中日ドラゴンズの大野雄大投手が米球界からも注目を浴びている。条件はドラゴンズが来オフにポスティングを容認すること。ある情報筋は21年のメジャー移籍について、まだ「可能性は低い」と語った。しかし…>
来季挑戦の可能性は低いとしていたが、この一報と前後して、国内でも「大野のチーム残留説」が強くなってきた。
「ドラフト会議ですよ。中日は支配下で6人を指名しましたが、うち即戦力と思われる投手は2位の森博人(日本体育大)だけ。大野が出て行くのなら、即戦力投手をもっと補強しなければなりませんし、少なくとも左投手を…」(名古屋在住記者)
大野は京都府出身、少年時代は阪神ファンだったという。学生時代を知る当時のスカウトによれば、「ドラフト候補に挙げられていたころ、彼のケータイストラップは阪神グッズだった」とのこと。阪神以外のチームも高く評価しており、FA権を行使すれば大争奪戦になるのは必至。ドラフトで即戦力投手を一人しか獲得しなかったことで、「チームは残留の手応えを感じている」と予想されるようになったのだが、こんな声も聞かれた。
「中日は来年、球団創設85周年のメモリアルですよ。当然、優勝を狙うはず。外国人選手の補強、オフの大型トレードも仕掛けてくるはず。大野が活躍し、優勝、日本一となるのが最高なんですが」(プロ野球解説者)
大野が移籍するとすれば、その条件に「優勝を狙うチームの雰囲気」を求めるという。メモリアルで優勝を狙う気運を感じているとすれば、大野は残留するはずだ。
先の米スポーツサイトは「しかし…」の後にこう記している。
<中日は03年に大塚晶文投手のポスティングを認め、11年にはチェン・ウェインのメジャー志望を汲み、自由契約にした>
そう言えば、元阪神・福留孝介が中日を出た経緯もメジャー挑戦だった。
米球界行きには寛大な中日が、大野と新たな約束を交わしたのだろうか。21年優勝、同年オフに米球界――。大野の去就問題に米球界が絡んできたようだ。(スポーツライター・飯山満)