>>1日の感染者が7000人の日も コロナ感染者激増のドイツ、国民に危機感はなし?<<
ロックダウンの期間は11月2日から1カ月間。仕事は在宅勤務が推奨され、飲食店や映画館、劇場は閉鎖。飲食店はデリバリーでの販売は許可される。スーパーは開いているものの店内の人数が制限される。ただし、1回目のロックダウンよりも外出制限については緩い部分もあり、2世帯までの最大10名が公の場で会うことができ、今のところ、学校の閉鎖は検討されていない。ドイツのサッカーリーグ、ブンデスリーガなどのプロスポーツも無観客での試合が可能だ。
特に、新規感染者が増え始めた10月中旬には、ドイツのメルケル首相は国民にステイホームを訴え続け、「クリスマスがどうなるかは今後の数週間で決まる」と発言し続けていた。しかし状況は改善されず、2回目のロックダウンの発表にあたりメルケル首相は「現在のスピードで感染者数が増えていくと、あと数週間で医療体制が限界に達する」と警告した。
「こちらではクリスマスは恋人と会うというより家族で過ごす重要な行事です。各地で開催されるクリスマスマーケットではクリスマス当日に向けて、クリスマスツリーの飾り付けを購入したり、屋台の食べ物を楽しんだりと、クリスマスマーケットはドイツ人にとって最も楽しみなイベント。4週間ほど開催されますが、毎日のように行く人は多いですね」
「メルケル首相はクリスマスを見据えた発言が多かったので、『このロックダウンはクリスマスに家族らと安心して会うためのロックダウン』だと報じているメディアが多いです。そういった影響もあり、ロックダウンに反対する国民ももちろんいますが、大半は今回のロックダウンに理解を示しているように感じます。ただ、ロックダウンが長引いた場合、クリスマスというワードが強調されすぎていて、理解を示していた国民の感情が爆発しないか心配です。すでにクリスマスマーケットの中止を発表している場所もあり、一部の人は落胆したり批判したりしています」(ドイツ在住日本人)
ただ、賛否の声が挙がっているのが、学校への対応だ。学校と幼稚園に閉鎖義務はないことが決定されたが、共働きが多いドイツでは、子どもが学校に行けることを喜ぶ親がいる一方で、感染のリスクを考え閉鎖すべきだという親も少なくはない。
「感染者が増える前は学校が閉鎖されないでほしいと思う親が多かったです。しかし、2回目のロックダウンが発表されたことで危機感を持った親もいるようですね。実際、ここ最近になって、私の周りでも感染したという人はいないものの、身近な人が感染し心配になって検査したという人は多いので、じわじわと感染者の急増を実感しています。危機感を持っている親は、自分の子どもだけコロナを心配して休ませるわけにはいかないので、つらいと思います」(前出・同)
とはいえ、今のところドイツ国内は冷静さを保っており、ロックダウン発表後にトイレットペーパーは若干品薄になったものの、1回目のロックダウンの時のようにスーパーに買い占めに走る人はいない。
今回の2度目のロックダウンをある程度国民も想定していたようだが、国民が協力し合うことで第2波を乗り切ってほしいものだ。