報道によると、横須賀市や三浦市で住民から「ゴムの焼けたような臭いがする」などと異臭を訴える通報があったのを皮切りに、7月から9月にかけて範囲が拡大。14日午後3時過ぎにも横須賀市などで異臭に関する通報が消防に寄せられるなど、日を追うごとに頻度が増しているようだ。
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当初は海側で確認されていたため、海の青潮の臭いが風で流れてきたものではと考えられていたが、12日には横浜駅構内で確認されたとのこと。そのため、外から流れてきた匂いではないようだと考えられている。駅構内ということはガス漏れの可能性もあるが、横浜駅構内でガス漏れは検知されなかったとのこと。また、硫化水素系の臭いでガスとは違うものだったようだ。
あまりに長期間、広範囲にわたって異臭騒ぎが起きており、神奈川県は本格的に原因を調べる必要があるとして、通報があった地域で空気サンプルを採取した。そして13日午後、横浜市は市内で異臭が確認された地域の大気から、ガソリンなどの蒸発ガスに含まれる物質が検出されたと会見で発表した。
これまでは異臭の通報があった後に消防が駆け付けても、既に現場では異臭が消えてしまっていることが多かった。今回は横浜市の消防局の庁舎でも異臭が確認されたため、空気を採取することに成功。サンプルを分析した結果、蒸発したガスに含まれるイソペンタンやブタンなどの化合物が通常の大気より濃い濃度で検出されたことが判明したという。なお、現在は人体への悪影響はないとのこと。しかし、成分は判明しても発生源は依然不明のままとなっている。
あまりに続く異臭騒ぎに、ネット上では「大地震が起きる前触れなのでは」という意見も出てきている。実際、三浦半島では大正12(1923)年に発生した関東大震災の時に三浦半島の各地、現在の横須賀市などで「ガスが噴出した」という記録が存在しているという。現代の阪神淡路大震災や東日本大震災でも、地震が発生する前にガスのような臭いをかいだという報告も寄せられているようだ。地震の前兆現象として異臭が発生することは少なくないようだが、それでも今回の異臭騒ぎと安易に結び付けて考えるのは危険であるとされている。
神奈川県は各自治体や県警、海上保安部などと対策会議を開き、各機関での連携強化と調査体制の拡充を決定。環境省から大気採取機を借り受けて各地で大気の採取を行い、県の環境科学センターでさらに分析する方針としている。
(山口敏太郎)
参考URL
https://www.fnn.jp/articles/-/94983
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201002/k10012644761000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001