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地震が起きるのを予知したい!江戸時代の「地震予知機」と「地震預防説」 ​

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 ここ数日にわたって、震度3〜4の地震が日本各地で起きている。
 先日リアルライブでも紹介させていただいた、「5月11日に地震が起きる」という予言にも近かったため、未だに様々な憶測を呼んでいるようだ。

 ​>>絶対にずれない電波時計がずれた!?「5月11日に地震が起きる」予言と電波時計<<​​​

 さて、先日は「電波時計のズレや故障は地震が起きる予兆」とする説を取り上げた。確かに地震の前には異常な電磁波が伝播する事が発生するため、その影響を受けて誤作動を起こすことは考えられなくはないという。しかし、あくまで可能性の問題であり、今のところ確かな因果関係があると言える結論は出ておらず、今後も調査・研究を重ねる必要があると見られている。
 ちなみに地震大国である日本では、昔から様々な地震予知の研究もされてきていた。特に江戸時代には幾度も直下型の地震が起きたため、なんとかして予知できないものかと考えられるようになったのだ。

 中でも被害が大きかったものが安政の大地震で、夜間に江戸を襲った直下型地震だったため、地震と同時に起きた火災で多くの被害が出たとされている。 
 この地震の直前、浅草茅町の「大すみ」という眼鏡屋で、店先に展示してあった磁石に着いていた釘が落下。その二時間後に震災が起きたという報告があり、磁力と地震に何らかの関係があるのではないかと考えられるようになった。

 そこで、磁石と目覚まし時計を組み合わせて作成されたものが「地震予知機」だ。仕組みは簡単なもので、地震が起こる直前に磁石が弱くなる現象を利用し、鉄針が磁石から離れると重りが落下。その動きに連動して上方にある鈴が鳴る構造になっている。これを兵学者・佐久間象山が改良したものが長野の象山記念館に現存しており、他にも国内にいくつか存在しているそうだ。骨董品の鑑定で有名な番組の「開運なんでも鑑定団」でも2回ほど登場しており、いずれも非常に貴重なものという鑑定結果が下されている。

 また、幕府も蘭学者の宇田川興斎に命じて蘭書を翻訳した『地震預防説』を刊行。これによると「地震は地下に鬱伏せる電気より発するものにして、夫(か)の大気の時令節を失い、雷電空中に起ると一般の理なり」とあるため、地中深く銅製の柱を埋め込み、「越列幾的児(エレキテル)」を空中に放出することで、地震の発生を防ごうとした。これは日本初の地震予防策であるとされている。

 目に見えない電気や地磁気と地震の関係性に着目していたのは、江戸時代からだったのだ。

(山口敏太郎)

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