現在関東で頻発している地震は、かねてより危惧されている東日本大震災の余震である可能性も考えられている。また、25日に気象庁は近畿と四国でのデータを用いて、南海トラフ地震発生と関係があるとされるプレートのずれについての観測も行っていく事を発表した。
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さて、地震と古くから付き合って来た日本だけに、地震に関する伝承は全国各地に残っており、また地震予知や対策についても古くから研究が成されていた。
例えば、地震に関する最古の記録としては、日本書紀にある416年(允恭5年)のものや599年(推古7年)のものがある。また、684年に起きた白鳳地震は規模が大きく、記録が正しければ現在の地震活動と似ているため、地震に関する歴史的資料になるとして、研究が進められている。
時代は下って平安時代、今では学問の神様とされている菅原道真が当時の国家公務員試験である「方略試」に臨んだ際、出題された「辨地震(地震を弁う、地震について述べよ)」と言う問題について回答し、試験に合格している。この問題が出された前年の869年には宮城県が大津波に襲われ、その前年868年には京都で大地震が発生し多くの民に被害が出たとされており、地震を初めとする災害対策等に関する出題がされたと考えられる。なお、この問題と解答は「菅家文草」に記載されている。
さらに時代は下って江戸時代になると、様々な地震予知の研究がなされるようになってくる。中でも夜間に江戸を襲った直下型地震であり、被害が大きかった安政の大地震の後は様々な地震に対する知見が集まり、磁石を利用した地震予知機が開発されたり、幕府がオランダの書物を翻訳し『地震預防説』を刊行するに至った。
その後、様々な研究がなされるも未だに決定的といえる地震予知法は考案されていない。知識や観測データの積み重ねが、地震予知法の発見につながることを願ってやまない。
(山口敏太郎)