男は9月29日午後4時半頃、宇都宮市福岡町の住宅街で複数の家を覗き込むなど不審な動きをしていた。そこへ通りがかった男性が「何をしているんですか」と声をかけると、偽造した警察手帳を提示し、「警察の者です。詐欺事件の関係で女性を探している」と嘘をつく。男性はこの主張を信じることなく、110番通報。虚偽であることが発覚し、公記号不正使用容疑で逮捕される。
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警察の取り調べに対し、男は容疑を認め、「以前から手帳を使って詐欺をしてきた」と話しており、警察手帳を使用し特殊詐欺を働いていた可能性が高いと見て捜査を進めていく方針だ。
偽の警察手帳を使った事件は相次いでいる。2012年には大阪府警の当時53歳の巡査部長が借金の返済のため、警察手帳を偽造し売りさばき、有印公文書偽造容疑で逮捕される事件が発生。また、今年3月にも滋賀県長浜市で偽造警察手帳を所持していた20歳の男が公記号偽造容疑で逮捕されている。この男も、特殊詐欺目的で所持していた可能性が高いものと見られている。
一般人がいざ警察手帳を見せられると、偽造であることに気が付かず、言うことを聞いてしまう可能性も高い。このような犯罪を防ぐために、どう身を守ればいいのか。事件記者はこう語る。
「まず、警察手帳を出されても簡単に言うことを聞かないことです。よく手帳を見て、おかしなところがないかチェックしましょう。
『偽の警察官事件が多発しているので』と、どこの警察署に所属しているのか、名前はなんなのか確認することをお勧めします。大抵そこまですると騙す側は『面倒くさい』と判断し、離れていくはずです。
すらすら言えた場合は本物の可能性が高まりますが、警察官が犯罪に手を染めている場合もあります。念の為、『警察署に確認する』と110番通報し、本当にそのような警察官がいるのか確認することをお勧めします。家にいる場合は、対面での応対を避け、インターフォン越しなどで対応すると良いでしょう」
「警察手帳を出された」だけで、警察官と信じることは極めて危険な世の中。冷静に手帳や相手を観察し、警察署に連絡するなどして確認をしてもらいたい。