問題となっているのは、同戦で広島首脳陣が組んだスタメンオーダー。この日相手の中日先発は左腕エース・大野雄大だったが、広島は1番から9番まで全員右打者をスタメン起用。球界では一般的に左腕なら右打者、右腕なら左打者の方が打ちやすいとされるが、広島は大胆な策で大野の攻略を狙った。
しかし、いざ迎えた試合では広島打線は大野に完全に手玉に取られ、スタメンの中でヒットを放ったのは6番に座ったメヒアのみ。9回に代打でヒットを放った左打者・坂倉将吾を含めても大野から2本しかヒットを打てず、「9回無失点・被安打2・四球1・11奪三振」で完封勝利を許す結果となった。
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裏目に出た広島首脳陣の策について、ネット上には「首脳陣は大野の被打率知ってるのか?」、「右の方を抑えてる大野に右打者を並べたのは意味不明」、「前回対戦と同じ失敗をなぜ繰り返すのか、さすがに学習能力が無さすぎる」、「前にやって効果無かったんだから別の策を打ってほしかった」といった批判が噴出している。
「今シーズンの大野の被打率を見ると対右が『.217』、対左が『.241』と、セオリーとは逆に左打者の方を苦手としています。このデータを見ると、スタメン全員右打者は逆に大野を助ける策だったと言わざるを得ません。そもそも、広島は前回大野と対戦した7月10日もスタメンを全員右打者にしていますが、この時も『7回2失点』と抑えられた末延長10回にサヨナラ負け。結果につながらなかった策をなぜ繰り返したのかという点にも疑問が残るところです」(野球ライター)
試合後、広島・佐々岡真司監督は「打って勢いをつけたいというところでナイスピッチングをされ、何もさせてもらえなかった」と肩を落としたことが伝えられている。ただ、このコメントについても「何もさせてもらえなかったじゃなくて、何もしなかったの間違いだろ」といった反発が寄せられている。
文 / 柴田雅人