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「14日の藤浪は『6回8安打4四球6失点』と散々な結果でした。次回ももう一度先発させるようですが、そうなると“因縁の相手”ということになります」(在阪記者)
藤浪をかばう側の意見だが、4度目の先発となった「14日」に着目していた。広島3連戦のカード初戦だ。初戦を獲る(勝つ)のと、落とすのでは雲泥の差がある。藤浪に初戦を任せたということは期待している証拠という。
しかし、「矢野構想からすでに外されている」とする意見には、反論できない点も多い。
「前々回の登板は8月5日。中8日も空いてしまったのは、二軍調整させていた他投手を戻すなどし、先発ローテーションを再編したからです。中8日も空いてしまうと、先発投手は調整が難しくなる」(球界関係者)
それだけではない。14日は確かにカード初戦の重要な試合ではあるが、球場は京セラドームだ。
同球場は“因縁の場所”と言っていい。2017年4月4日(対ヤクルト戦)、相手バッターの肩付近にぶつけた死球が引き金となり、乱闘騒ぎに発展している。以後、制球難についても「イップス」が囁かれるようにもなった。改めて調べてみたら、15年3月29日以降、同球場での勝利はなかった。こんな相性の悪い球場で登板させるのは、気の毒である。
「乱闘寸前の騒ぎになった後の同年8月16日、同じ京セラで藤浪は広島の大瀬良にもぶつけています」(前出・同)
広島にもイヤな思い出があるというわけだ。
同球場での通算成績は3勝5敗(9試合登板)。試練を与えたと言えばカッコイイが、本当に復活させたいと思うのなら、通常ローテーションの中6日、勝率で相性の良い横浜スタジアムでの一戦に投げさせてやれば良かったのだが…。
矢野監督は勝てない藤浪に対し、解説者時代に出演していた関西のテレビ局による個別インタビューでこう答えていた。
「藤浪がいなくても、オレは日本一をめざす。藤浪がいたら(ペナントレースは)独走だけどね」
好意的に捉えれば、「自分の力で這い上がって来い」という意味だろう。
勝てない原因の一つに、味方打線の援護に恵まれないとの指摘もある。だが、それは藤浪自身にも理由があるという。制球難のピッチャーは自ずと投球数が増えていき、守っている野手の集中力を奪う。守備に就く時間が攻撃の時間よりも長くなれば、たとえ零点に抑えていても、試合主導権は握れないからだ。
こうした行き詰まっている状況を聞くと、矢野監督が救いの手を差し伸べてやれば、状況も変わるのではないかと思うのだが…。次回登板でも結果を出せなかった場合、再び二軍降格となるだろう。次回登板がラストチャンスのようだ。(スポーツライター・飯山満)