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阪神・ボーア、アーチ量産体制に突入? チームと共に続く低迷、本拠地連戦で復活に光明か

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「バースの再来」

 そのニックネームには、タイガースファンの最大級の期待が詰め込められていることが伝わってくる。

 ただ、大きすぎる想いとは裏腹に、阪神の新外国人ジャスティン・ボーアはここまで打率2割台前半と、チームの勝敗と同様に不本意な成績に沈んでいる。
 
 ケチの付け始めは巨人との開幕3連戦だった。敵地とは言え、いきなり3連敗を喫した阪神はその影響を今なお、引きずっているように見える。そして、3タテの屈辱を味わった巨人との開幕カードで計12打数無安打と、痛々しさを感じる程に抑え込まれていたのがボーアだった。

 象徴的だったのは、3戦目6回表の攻撃、満塁の好機で打席が回ってきた場面。リリーフで高木京介がマウンドに登り、あっけなくセカンドゴロに打ち取られた。阪神が1-7と敗色濃厚の状況にも拘わらず、ボーアを封じ込めるべく、前日にも三振に抑えている高木をワンポイントでぶつけてきた巨人の徹底ぶり。日本球界でのサウスポーへの苦手意識が植え付けられてもおかしくない程、「ボーア包囲網」が敷かれていることが容易に想像できるシーンだった。

 さらに、首位を走る巨人が打線の軸を固定、新外国人パーラも打線下位で存在感を見せており、対照的な結果となっていることも、より一層タイガースの、そしてボーアの不振を浮き彫りにしているかのようだ。

 今季の阪神は、「4番・ボーア」を軸に打線を組むことがシーズン前からの構想として掲げられていた。新加入ながらも持ち前の長打力やメジャーでの実績もあり、早くから首脳陣や虎ファンの期待を背負う存在となっていたことは明らかだ。

 だが、いきなり名門の主軸を担うという重責は、求められるものがもはや「助っ人」の領域を超えていたと言っても過言ではないだろう。そして、その外国人頼りの球団方針こそ、若手育成が成されず、ペナントを逃し続けている原因だとも叫ばれてきている。

 7月に入り、5日の広島戦では来日初となる満塁弾を放つなど、ようやく「らしさ」を見せ始め、自身も「最高の仕事ができてよかった」とコメント。それでもこのゲームでも3三振を記録、虎党の心が晴れるにはまだまだ先になりそうだ。

 いよいよ本拠地・甲子園での連戦を迎える中、巻き返しのためには、ボーアの更なる打棒爆発は絶対条件。9日の巨人戦では3号、11日のDeNA戦では4号となるアーチをかけたが、悩める主砲はこのまま量産体勢に入っていけるのだろうか。(佐藤文孝)

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