被害者は近くのマンションに住む大学4年生のAさん。日中は大学に通い、夜は近所のパチンコ店でアルバイトをしていた。事件前日も大学の講義を終えた午後4時頃から午後11時頃までアルバイトをしていたという。パチンコ店を退勤したあと、同僚としばらく時間を過ごした後に、14日午前0時過ぎ1人で車に乗って帰宅。午前1時頃には近くのコンビニエンスストアで夜食を購入するAさんの姿が監視カメラに記録されていた。これがAさんの最後の目撃情報となる。
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そして午前4時過ぎ、新聞配達員が現場を通りがかったところ、血まみれで倒れているAさんを発見。新聞配達員はすぐに110番通報したが、警察官が駆け付けた時には既に死亡していた。遺体の刺し傷は首や胸など約10か所にも及び、辺り一面大量の血が流れていたという。第一発見者の新聞配達員は一目で「生きているとは思えない」と感じたそうだ。
被害者の部屋からは現金と部屋のカードキーが無くなっており、被害者の車が普段利用していたマンションの駐車場ではなく、近くの市営駐車場に停められているという不可解な点が警察の捜査により発見された。
警察は周辺住民への聞き込み、チラシの配布などを行い情報収集に努めたが、深夜に発生した事件ということもあり、目撃証言はほとんど集まらなかった。唯一、現場近くに住む主婦が「助けて」という悲鳴を午前3時頃に10回近く聞いていたが、「学生のおふざけ」だと思い、気に留めなかったという。
事件が動いたのは、遺体発見から6日後の4月20日。現場に残された血液型、靴跡と一致する靴を保有する男性が発見されたのだ。その男は事件現場近くの借家に住む男性で、警察の聞き込みに対して虚偽の説明をしていたことも判明した。警察はこの男が事件の事情を知っている可能性が高いと見て、任意で事情聴取を開始。事件は早々に解決に向かうと思われた。
しかし、これ以降事件の続報は途絶えてしまう。2008年には警察が捜査を継続していることが新聞で取り上げられたが、結局男性の件については一切記載がなかった。もう一つ、Aさんと同じマンションに住む中国人男性が事情聴取されたというニュースも、2001年当時報道されていた。この男性は事件当日仕事を欠勤しており、金にも困っていたという。しかし、この男性についても続報はなく、事件への繋がりは見つからなかったと見られる。
Aさんのマンションのカードキーは特殊なシステムが採用されており、部外者には簡単に取り扱えない仕組みだったという。しかし、この事件が起きる半年前には、別の部屋に誰かが侵入しようとする騒ぎが発生したこともあり、またAさんの部屋にも何者かが侵入し現金とバッグを盗むという事件が起きていた。二件とも犯人は捕まっていない。Aさんが殺害された事件との関連性は見つかっていないが、何故このマンションばかり狙われていたのだろうか。