2週間の登校自粛措置を取っていたのは、岩手県の一関市、奥州市、洋野町、九戸村の4市町村の小中学校。感染者の多い県外から転校してきた児童・生徒約20人に対し、転入から2週間は登校させないよう保護者に求めていた。
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措置を取った理由について、一関市の担当者は「県民から不安の声が多数寄せられた」「転校生がいじめを受ける可能性を考えた」などとし、保護者からクレームなどは出ていないと説明しているとのこと。しかし、事態を把握した文部科学省は、この措置が「不適切」と判断。岩手県教育委員会を通じて是正するよう求め、要請内容を変更した。
岩手県は新型コロナウイルス感染者が未だに出ておらず、「第一号」を許さない雰囲気が蔓延しているとの指摘がある。そして、公共サービスなども厳重な措置を取っており、4月には東京から岩手に里帰り出産しようとした女性が破水した際、病院から「県内に転入後2週間経過していない」という理由で受け入れを拒否される事案も発生し、議論を呼んだ。
今回も「感染者を出したくない」という感情が過剰に出た感じのある小中学校の「通学自粛」。ネットでは「閉鎖的すぎる。許せない」「憲法違反じゃないの? 陰湿な県民性だと思う」「差別意識が酷い」と怒りの声が上がる。
この件については、教育評論家の尾木直樹氏も自身のブログで取り上げ、「就学義務違反。学習権の侵害。明らかに『違法行為』です。厳重に処分されるべきではないでしょうか」「少なくても20人以上に及ぶ登校自粛させた児童・生徒宅を訪問して、率直に謝罪する必要があります。深く傷ついている心を癒し、元気良く学校生活を送ってもらう為にも大切な区切りではないでしょうか?彼らへのいじめや差別・偏見が生まれていないことを祈るばかりです」と訴えた。
しかし、ネット上では「岩手県としては当然の判断なのでは」「感染者を出さないためには致し方ない」「一概に岩手の措置が悪いとも言い切れない」「批判ばかりするのもどうかと思う」など、岩手県を擁護する声も多かった。
新型コロナウイルスが感染拡大する中で、都道府県の分断化が進んでいる感がある日本社会。第二波が来ないことを祈りたいが、「来た時にどうするか」をしっかりと考えていく必要がある。
記事の引用について
尾木直樹のオフィシャルブログより https://ameblo.jp/oginaoki/entry-12606772115.html