番組では、スリムクラブの2人が友人関係にあった他社所属芸人の誘いに乗り、反社会的組織の会合に出演し、報酬を得ていた問題を取り上げる。これについて、コメンテーターのヨネスケは「お笑いは縦の世界」とし、「先輩から言われたら後輩はNOと言いづらい」「調べなくてついつい、しかもお笑いの友達から頼まれから、行っちゃった気がする」などとスリムクラブに同情的な言葉を投げかけた。
一方、田村勇人弁護士は、問題になっているのは反社会的組織との付き合いとし、
「吉本興業の発表通りだったら、反社であることの調査義務だとか、反社であると気付いた瞬間に逃げる義務が、スリムクラブやこの前の11人にあるっていう前提で処分してるのであれば、今後吉本さんがやるみたいに、どうやって逃げるのか、どうやって調査するのかってこと、ちゃんとタレントの方に教えてあげないと、タレントは結局、結果だけの責任を問われるのはちょっとかわいそうに思う」
と吉本興業の企業としての対応を疑問視する。これに尾木氏も、
「僕も思うんですけどね。反省文ね、前の11人の方もそうだけど、自分の生き方と向き合ってとか、全部内省的なんですよ。果たして、それだけかなと。もちろん、そういう闇のに乗っかっちゃうというのはいけないけれども、だけれども、そんな個人的なレベルにしたら、これからも次々と出かねないと。3年前5年前まで出てるわけですから。だから、そうじゃなくて企業体として、会社としてとか組織として、やっぱり守ってあげてほしいなと思いますね」
と、吉本興業が芸人を守る構造を作るべきだという見方を示した。
今回の騒動については、吉本興業の芸人に対する報酬体系が企業側に有利すぎるため、芸人の取り分がほとんどなく、闇営業はそれを補うものとして半ば黙認していたのではないかという指摘がある。
闇営業となれば、直に報酬が入るだけに、魅力的であることは言うまでもない。営業先のことをよく知らずとも、その報酬に目がくらみ、結果的に出演した舞台が反社会的勢力であっても気が付かず出演してしまうだろう。この構造が、闇営業を横行させている要因ではないかとの指摘がある。
今回の相次ぐ闇営業芸人への謹慎処分は、尾木氏らが言うように、根本的な解決には至っていないと考えている人が多く、「トカゲのしっぽ切り」との批判もある。日に日に吉本興業の構造を疑問視する声が高まっており、対応策が求められている。吉本興業が今後どのような動きを見せるのか注目したい。