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ヤクルト・イノーア、今季を左右する存在に? 4失点KOも見せた光明、高津監督は我慢を貫けるか

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 阪神に「今季初勝利」をプレゼント。今季の東京ヤクルトに対するプロ野球解説者の評価は決して高くなかった。一般論として、新監督を迎える際、球団は“ご祝儀”のような大型補強を行う。東京ヤクルトにはそれがなかったのだ。高津臣吾新監督が苦しい舵取りとなることは予想されていたが、この4戦目はプロ野球関係者も注目していた。「今季のヤクルトの本当の実力を見計らえる」として――。

 「先発のガブリエル・イノーアですよ。イノーアの獲得に高津監督も関わっています。メジャーリーグを経験した同監督は米球界に独自のルートを持っていて、獲得するかどうかの最終判断において、高津監督も色々と意見を出していました」(球界関係者)

 近年、東京ヤクルトは優良外国人選手を多く集めてきた。変化球の多い日本の投手に対応できる長距離砲、また、投手では相手陣営の機動力に惑わされないため、セットポジションになってからの制球力、クイックモーションができるのかどうかが重要なポイントとなる。他球団からは「実際に現地視察した時はできていたのに!?」という“泣きの声”ばかりが聞こえるが、東京ヤクルトは失敗が少ない。

 つまり、外国人選手がハマッた時の東京ヤクルトは、戦前の低評価を覆す強さを発揮する。高津監督が自ら選んだと言っていいイノーアを見れば、本当のチーム力が分かるとされていたのだ。

 「メジャーリーグで55試合しか投げていない投手です。データが少ないが、まだ若いので伸びしろも十分にあります。万が一ってこともあるし…」(前出・同)

 そのイノーアだが、初回に2ランアーチを食らうなど、6回途中でノックアウト。4失点と結果を出せなかった。数字的に見れば、「大したことない」ということになるが、一部からはこんな評価も聞かれた。

 「スライダー系の変化球で打ち損じを誘うタイプ。ゴロ・アウトを積み重ねていくタイプだとは聞いていたが、真っ直ぐが良い。失投も多かったけど、けっこう低めに真っ直ぐが来ていました。高津監督が根気強く使っていけば、だんだん良くなるかも」

 投手出身のプロ野球解説者の評価だ。

 球速が自慢の外国人投手のほとんどは、高めに“抜けること”が多い。イノーアにはその傾向が見られないというのだ。高津監督が獲得を決めた理由も、このへんにありそうだ。

 「奥村政之氏が引き続き、ヤクルトの編成部国際担当部長を務めています。ソフトバンクに移籍したバレンティンなど、優良外国人選手を見つけてきたのは奥村氏。その奥村氏が見つけて、高津監督が見定めた外国人投手なのでもう少し様子を見てから結論を出した方がいい」(前出・同)

 奥村政之氏とは、マリナーズでマック鈴木、ドジャースでは野茂英雄の通訳も務めた人物である。ダイエー(現ソフトバンク)を経て、03年から東京ヤクルトの渉外担当となり、チームを支えてきた。高津監督の懐刀と言っていい。

 高津監督は眉間に深いシワを寄せ、敗戦ゲームを見届けていたが、目利きの渉外担当者が見つけ、自身もゴーサインを出した新外国人投手に賭けるしかない。高津監督は我慢の采配が続きそうだ。(スポーツライター・飯山満)

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