台湾・台北松山空港が、海外に行くふりをする企画を打ち出したと海外ニュースサイト『Travel + Leisure』と『CNN』が6月12日に報じた。台湾では23日現在、国境を閉鎖しており、ビジネス関係者など条件付きでの滞在は認められているが、そういった一部の例外を除いては出入国は許可されていない。
>>犬の散歩中の女性、近隣住民に難癖をつけられ射殺される 男はアパートから発砲<<
報道によると、台北松山空港は新型コロナウイルスの影響で旅行ができなくなり残念に思っている人のために旅行の擬似体験の希望者の募集を開始したという。擬似体験は半日かけて行われ、国際線の空港内を回った後、擬似の出国手続きをし、最後に台北松山空港で飛行機に搭乗して帰ってきたという設定で同じ台北松山空港で降りるところまでが含まれる。体験は7月2、4、7日の3日間で行われ、募集人数は合計90人だ。なお、飛行機に搭乗するものの、飛行機は離陸せず、参加者は搭乗と降機を体験するのみになる。
『CNN』によると、ウェブサイトの告知には「台湾を離れることができないのなら、台北松山空港で海外に行くふりをしよう」と書かれているそうだ。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「この夏はどこにも行けないだろうとガッカリしていたからこういった企画はありがたい。家族でいい思い出ができそう」「海外旅行に行きたいけど、まだ小さい子供を飛行機に乗せるのが心配だった。いい練習になりそう」「空港にとってもいいプロモーションになる」「どこにも行かず、飛行機に乗って降りるだけって何かのギャグ? 冗談かと思った」「飛行機から降りられないにしても、飛行機が実際に飛んで海外に行けるのかと思った」などの声が挙がっていた。
海外旅行が制限されている今、海外だけではなく日本でも旅行が擬似体験できる様々なサービスが行われているようだ。
『琴平バス株式会社』は、ウェブ会議サービス「Zoom」と動画を使用し、国内名所をオンラインで回ることができるツアーを提案している。徳島県の祖谷渓を巡るコースでは、ツアーの途中で土産屋に立ち寄り、オンラインで土産物を購入することも可能。岡山県の白桃狩りのコースでは、コースに申し込むと実際に家に白桃が届くため、白桃を食べながらのオンライン旅が可能だ。
また、神戸のゲストハウス「神戸なでしこ屋」や和歌山県のゲストハウス「WhyKumano Hostel & Cafe Bar」は、オンライン宿泊サービスを開始した。参加者はZoomを使用し、実際に宿泊したかのような気分を味わえる。「神戸なでしこ屋」は最寄駅からのお迎えから開始し、その後、宿泊施設を案内。チェックインを済ませたら、他の参加者との会話を楽しむことができる。夜にはベイエリアの夜景散歩をするという。また、「WhyKumano Hostel & Cafe Bar」では、宿泊施設の案内をした後、チェックインを済ませたら、夜は他の参加者と写真共有アプリを使って写真を見せ合うなどして会話を楽しむ。いずれも満室となる人気ぶりだ。
世界的に旅行が簡単にできる見通しはまだ立っていないが、国内外の各企業は工夫して消費者を楽しませる仕組みを生み出しているようだ。
記事内の引用について
「This Airport in Taiwan Is Opening for Pretend Vacations and Flights to Nowhere (Video)」(Travel + Leisure)より
https://www.travelandleisure.com/airlines-airports/taipei-songshan-airport-taiwan-tour
「Taiwan airport offers 'pretend to go abroad' airport tours amid Covid-19 pandemic」(CNN)より
https://edition.cnn.com/travel/article/taipei-songshan-airport-coronavirus-intl-hnk/index.html
琴平バス株式会社の公式HPより
https://www.kotobus-tour.jp/
神戸なでしこ屋の公式HPより
https://kobe.nadeshiko-ya.com/2020/04/29/onlinestay/
WhyKumano Hostel & Cafe Barの公式 Facebookより
https://www.facebook.com/whykumano/posts/684671529008859