中国・上海で、18歳の女性が1日あたり2杯のミルクティーを約1か月間、毎日飲んだことで昏睡状態に陥ったと、海外ニュースサイト『mothership』が6月8日までに報じた。
同記事によると、女性はミルクティーが好きで1日2杯のミルクティーを毎日飲んでいたという。女性は運動はあまりしていなかった。ミルクティーを飲み始めてから約1か月後の5月2日、女性は自宅で意識不明になり倒れた。女性の母親が救急隊に連絡し、女性は病院に運ばれた。女性は病院で糖質の過剰摂取により、血中のブドウ糖の濃度が高くなる、高血糖だと診断されたそうだ。同記事によると、病院に運ばれてすぐの血液検査では、女性の血糖値は基準値の約25倍だったという。さらに腎臓の損傷などの合併症も見受けられた。
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中国のニュースサイト『Wuxi City Guide』の2017年8月の記事によると、「上海市消費者保護委員会」が中国で販売されているミルクティー27種を調べ、平均値を出したところ、ミルクティー1杯あたりに含まれる砂糖の量は約34グラムで、角砂糖に換算すると約14個分になったという。
女性は5日間、昏睡状態に陥っていたが、5日後、意識を取り戻した。現在は回復傾向にあるものの、別の病院で引き続き治療中だという。病院に運ばれた時の女性の体重は125キロあり、肥満体型で、もともと糖尿病を患っていたそうだ。糖尿病を患っている人が定期的に大量の砂糖を摂取すると、血糖値が高くなり、重症化する可能性が高いという。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「ミルクティーを毎日2杯は飲み過ぎ。肥満だったのなら尚更」「私も毎日のようにジュースを飲んでいる。気をつけなければ」「まだ若いのに、ミルクティーで昏睡状態になるなんて怖い」「女性は糖尿病を患っていたと気づいていなかったのか。きちんと治療をして、食生活に気をつけていればこんなことにはならなかったかも」などの声が挙がっていた。
そして、海外ニュースサイト『INSIDER』の2019年7月の記事によると、砂糖を大量に摂取すると、体重の増加や虫歯の危険性があることのほかに、うつ病になる危険性が高まるという。同記事によると、砂糖を大量に摂取することで脳の機能が低下し、ストレスの増加、不安感の増加、うつ病の危険性があると、アメリカの学術雑誌「The Journal of Clinical Psychiatry」が2016年に発表したそうだ。
また同記事は、砂糖の大量摂取は記憶力の低下に影響を及ぼすことにも警告を発している。同記事が紹介した、オレゴン州立大学の2015年の研究報告によると、4週間、基準値以上の砂糖を与えられ続けたネズミは、砂糖を与えられなかったネズミより、認知能力が低下したそうだ。
さらに、海外ニュースサイト『The Atlantic』の2018年1月の記事によると、砂糖を基準値以上、摂取し続けると、認知機能の低下が起こり、アルツハイマー病になりやすいことが分かったという。
なお、『世界保健機関(WHO)』は、成人と子供の砂糖の1日あたりの摂取量を、1日に摂取する総エネルギーの10パーセント未満にすることが望ましく、5%未満または約25グラム(小さじ6杯)以下にすると、さらに健康上の利点が得られると、2015年に発表している。
持病がある人はもちろん、健康な人であっても、砂糖の摂りすぎには注意が必要だ。
記事内の引用について
「Woman, 18, in Shanghai falls into a 5-day coma after drinking 2 cups of milk tea per day for 1 month」(mothership)より
https://mothership.sg/2020/06/coma-milk-tea-china/
「Milk Tea Study: Loaded With Fat, Sugar & Caffeine」(Wuxi City Guide)より
http://www.wuxicityguide.com/2017/08/milk-tea-study-loaded-with-fat-sugar-caffeine/
「10 scary things that happen to your body when you eat too much sugar」(INSIDER)より
https://www.insider.com/what-happens-when-you-eat-too-much-sugar-2017-9
「The Startling Link Between Sugar and Alzheimer's」(The Atlantic)より
https://www.theatlantic.com/health/archive/2018/01/the-startling-link-between-sugar-and-alzheimers/551528/
「WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children」(世界保健機関(WHO))より
https://www.who.int/mediacentre/news/releases/2015/sugar-guideline/en/