問題となっているのは、3回裏2死一、三塁の場面。ヤクルトは先発・吉田大喜が2点を失いなおもピンチという状況だったが、日本ハム・清宮幸太郎を見逃し三振に打ち取ってピンチを脱出。しかし、投球の間に一塁走者が盗塁を仕掛けていたからか、嶋は審判がストライクをコールするより先に二塁に送球した。
すると、二塁手から送球を見やすくするようマウンドにしゃがんだ吉田の頭に嶋の送球が直撃。吉田はどこか痛めたそぶりは見せずにベンチへ戻ったがこの回限りで降板となり、4回からは坂本光士郎がマウンドを引き継いだ。
今回のプレーを受け、ネット上には「嶋の送球危なすぎる、三振でチェンジなのに何で無理して二塁に投げたんだ」、「当たったボールが大きく跳ねてたけど吉田大丈夫かな…直後に降板したから余計に心配」、「審判のコールが遅かったのはあるかもしれないけど、セルフジャッジして二塁に投げなくても良かったのに」といった反応が多数寄せられている。
一方、「吉田がピッチャーカットのサインを見落としたって説も無い?」、「盗塁阻止にしては送球が低すぎる、投手のカットが前提だったんじゃないのか」と、吉田にも責任があるのではという指摘や推測も複数見受けられた。
「嶋の送球はマウンドにしゃがみこんだ吉田の頭に当たるほど低い軌道でしたので、ボールを握り損なったことによる投げミスの可能性はもちろんあります。ただ、本来二塁へはもっと高い軌道で投げられることがほとんどなので、嶋が一、三塁のダブルスチールを警戒し、吉田に送球をカットしてもらうためにあえて低い軌道で投げたのではと推測するファンもいます。カットありきの送球と仮定すると、通常は捕手から投手へサインでカットプレーの伝達が行われるので、今回の出来事は吉田のサイン見落としにより起こったものという見方もできます」(野球ライター)
試合後の報道によると吉田に怪我や異常は無かったというが、今回のプレーが嶋のミスで起こったのか、それとも吉田のミスで起こったのかは不明。ただ、6月19日の開幕前にこうした課題を洗い出せたのは幸いだったのかもしれない。
文 / 柴田雅人