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なぜ巨人・湯浅は急成長した? 坂本の立場を脅かすほどの打撃、今後のスカウト基準変わるか

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 高卒3年目の遊撃手・湯浅大の急成長により、高校球児におけるスカウトの判断基準も変わりつつある。

 「開幕一軍入りはほぼ間違いありません。坂本勇人の状態も関係してきますが、湯浅の開幕スタメンも十分に考えられます」(プロ野球解説者)

 巨人は「坂本が元気なうちに、その後継者を」なる課題を抱えていた。しかし、こんな形で湯浅が急浮上してくるとは思わなかった。

 DeNAとの練習試合(6月10日)、湯浅は「2番・遊撃」でスタメン出場した。初回、腕をコンパクトにたたみ、内角球を左翼席中段まで運び込んだ。同試合終了時点での成績は、打率4割6分7厘、2本塁打、8打点(6試合)。ファンも、坂本の代役として開幕・遊撃手を任せてみたいと思っているのではないだろうか。

 「湯浅が急成長し、高校球児に対するスカウトの評価基準も変えなければなりません」(球界関係者)

 湯浅はドラフト8位だった。甲子園大会の常連校となった健大高崎校の出身で「1年秋からレギュラーを掴んだ」と言うが、当時を知るスカウトによると、「守備は巧かったが、打撃面はイマイチ。打撃難でも、プロでやっていけるだけの打撃能力がないとダメ。そういう不安要素もあって、指名に二の足を踏んだ球団も少なくありませんでした」とのことだ。

 しかし、現在の湯浅が、最も評価されているのは打撃力だ。「守備面はちょっと心配」(前出・プロ野球解説者)と、正反対の声も聞かれた。

 「打球に対し、一直線で追い掛けていきます。回り込むように追い掛けないと、送球までの動作でステップが多くなってしまいます。一軍首脳陣も教えているはずですが、まだそれができていない」(前出・同)

 とは言え、高校時代では“赤点”だった打撃力がプロで開花した理由だが、これが今後のスカウトの判断基準を変えそうである。

 「打撃フォームが基本的と言うか、学生野球が指導している通りのスイングでした。良い意味で『何も教えていない』のと同じ。プロのコーチが教えて、改良する余地がたくさんあったということ」(チーム関係者)

 高校球児に対し、スカウトは「投手」に関する判断基準を幅広く持っている。たいしてスピードの出ない投手でも「下半身を使えているから伸びしろがある」と判断する時もあれば、「肩の稼働域の広さ」などを見る場合もあるそうだ。

 湯浅のようにプロで打撃が開花するケースは非常に珍しい。

 「高校卒の投手の怪我が多いのも気になります。ヤクルトの奥川は右肘を、昨秋ドラフトの巨人1位・堀田賢慎もいきなり手術となりました。『怪我』に関するチェック項目をもっと増やさなければならないでしょう」(前出・同)

 今年8月、甲子園球場で中止となった今春センバツ大会の代替試合が開催される。「今年は高校に好投手が多い」というが、評価は厳しくなりそうだ。また、打撃難の野手に関しても、もっと時間を掛けて見極めていかなければならないだろう。

 湯浅がペナントレース本番でもバットで活躍すれば、かねてから囁かれてきた「坂本の三塁コンバート」も、シーズン中にテストすることになりそうだ。(スポーツライター・飯山満)

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