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人妻温泉、ゴマキ卒業のアクシデント…テレ東が放つ二の矢

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後藤真希

 コロナの影響で収録がうまく立ちいかない今、テレビ東京で火曜日深夜0時12分から1時という枠がポッカリ空いた。穴埋め期間は4週間。そこで召集されたのが、看板バラエティー・注目ドキュメンタリー番組の現役プロデューサーである伊藤隆行、佐久間宣行、上出遼平、高橋弘樹だ。

 入社26年目の伊藤Pは、「モヤモヤさまぁ~ず2」や「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」などが代表作。22年目の佐久間Pは「ゴッドタン」や「あちこちオードリー」、「青春高校3年C組」ほか。傘下会社ではないニッポン放送でラジオ「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(zero)」も受け持つ異色の名物Pだ。16年目の髙橋Pは「家、ついて行ってイイですか?」ほか。10年目の上出Pは「ハイパーハードボイルドグルメリポート」を当てた。

 4人は、記憶に残る番組や、自分が関わった思い出深い作品を挙げる旨の社内メールを受け取った。そして、テレ東55年の歴史でド肝を抜かれた番組をリモート形式で紹介していく特番「浦和からもってきて!」が誕生した。定例会議系・過去映像バラエティーという新ジャンルだ。
 テレ東にはかつて、テープ倉庫「浦和アーカイブセンター」(通称)があった。新人ADはまず、このアーカイブ素材を検索する業務から始める。そこで独特すぎるテレ東の過去素材に触れ、動揺、洗脳、絶望を経験する。ゆえに生まれるヒット作もある。

 初回を担当したのは、伊藤P。初めて通った企画の「人妻温泉」を紹介した。魅惑的な人妻という響き、テレ東が得意な温泉を掛け合わせた単純な発想だが、蓋を開けてみればAVのほぼパクリだ。
 人妻の家にダンナがいない時間帯、悩みを抱えた若い男性が上がり込む。相談しながら、ラストは究極の癒しである入浴。風呂に入れてもらい、背中も流してもらうのだ。理解に苦しむ珍場面もある。リビングで、プロレスの足四の字をかける人妻、悶絶する男性という謎の構図だ。人妻は艶っぽい声で、「気持ちいい?」と聞く。昼下がりの一軒家に、妄想がかき立てられる。人妻は、名前と年齢だけではなく、3サイズも公表。お決まりで胸の谷間、脚部のチラ見せもある。

 19年前に放映されたやりたい放題の深夜番組。わずか9カ月で打ち切られたが、足跡は残した。
 伊藤Pはさらに、「生中継!モーニング娘。卒業 後藤真希 ファイナル・ステージ」も挙げた。13歳で加入して、17歳で卒業したゴマキは、モー娘。を国民的アイドルにした功労者だが、感動のあまり号泣。肝心のラストメッセージが生放送内に収まらないというハプニングが起こった。終了後、クレームが殺到したという。

 残る3人の3回は今月26日と6月2日が同じく深夜0時12分から、30日は同50分から。エロもグロもハレンチも、時には真面目なドキュメンタリーも、ゴリゴリのアイドルも…。浦和を漁って出てくる次の素材は何か。異才Pたちの目のつけどころに、期待が高まる。(文中敬称略)
(伊藤由華)

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