第25話は、裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)が演奏会の当日を迎え、緊張しながらもそれぞれの音楽を披露する。この演奏会のことは後日新聞でも取り上げられ、それを意外な人物が読んでおり――というストーリーが描かれた。
この日の終盤では、大物作曲家・小山田耕三として志村けんさんが登場し、歓喜の声を集めた。
「3月29日に新型コロナウイルスによる肺炎のため逝去した志村さんですが、生前に本作の撮影に参加。この日のオープニングでは『志村けんさんは3月にお亡くなりになりました 謹んで哀悼の意を表します』というテロップが流れました。この日、小山田を演じる志村さんは、裕一の演奏会の成功を知らせる新聞を読み、『小山田の後継者がようやく現れた』という文面に対し、『本物かまがい物か……楽しみだね』と呟くというわずかな出演でしたが、視聴者からは『姿見ただけでジーンとしてしまった』『ちらっと出ただけでも泣いてしまった』という反響が寄せられていました」(ドラマライター)
一方では、この日の展開に疑問の声も集まっていた。
「演奏会の歌唱中、音が練習のしすぎで声が枯れてしまい、高い声が出なくなるというハプニングに見舞われたものの、裕一のフォローもあり、なんとか事なきを得、演奏会自体も3日間全公演が満席で大成功を収めました。しかし、興行師の鶴亀(古舘伊知郎)はお金を持ち逃げ。収益を進学費用に当てようとしていた音は激怒しますが、光子(薬師丸ひろ子)は『最初から上京資金は出すつもりだった』と言い、裕一も『楽しかったからいいんじゃない?』とあっさり。視聴者からは『犯罪者野放しはありえない』『持ち逃げは予想の範囲内だけど、ニコニコして犯人探しもしなければ警察にも届けないっておかしい』という困惑の声が殺到。また、持ち逃げという割には、会場費やオーケストラの費用、スタッフの人件費にも言及していないということもあり、『経費は払って逃げたの?親切な持ち逃げだな』『裕一と音の報酬と収益だけ持ち逃げしたってこと?設定めちゃくちゃすぎる』という不信の声も。持ち逃げという割には、あまりに軽々しいため、困惑が集まっていました」(同)
せっかくの志村さんの出演だったが、視聴者はまたも不信感を抱いてしまったようだ。