問題となっているのは、PCR検査規模拡大により、地域の医師会が開業医などにPCR検査の協力を求める通知を送っていることを取り上げた際の一幕。SNS上で医師本人や家族などがこの通知のことを「赤紙」と、戦時中に発布された召集令状にちなんで表現していると紹介し、「医師会から赤紙が届いた」「私にも赤紙きました」といったツイートを取り上げていた。
現在PCR検査が行われている「帰国者・接触者外来」の多くは感染症指定医療機関などに設置されているが、負担が集中し十分な検査体制がとれていないため、地域の開業医らが交代で検査業務を担う「地域外来・検査センター」を新たに設置。検査数の増加が期待できると厚労省が発表していたが、今回「赤紙がきた」とSNSで発信している開業医には、この「地域外来・検査センター」への協力を求める通知がきたと思われる。また、番組では通知を受けて医師の妻が、「自身の夫が医師会で最年少のため、地域のPCR検査が始まったら若い医師からやるよう内定していた」という声も紹介。ナレーションでは、「赤紙は、新型コロナウイルスとの戦いに召集されるという意味で使われているという」としていた。
またその後、新型コロナウイルス感染拡大を受け、病院支援へ約22億円を投入する杉並区の田中良区長が区役所からLIVE出演。その中でMCの安藤優子が「専門外の医師から、発熱外来センターに協力してくれ、検体採取のところで協力してくれと要請がくることに対し、“赤紙”とも捉えられています。そうした今の状況について、ここら辺はどういう解消策、解決策をご用意されてるんでしょうか?」と質問する場面があったが、田中区長は検体採取時、特に防護服の着脱時に大きな感染リスクがあるといい、また防護服を着脱するのは鍛え上げられた消防隊員でも大変だと指摘。そのため高齢のドクターには難しく、若いドクターに依頼していると明かしていた。
『グッディ』では、安藤はじめ、これまで出演者が口をそろえてPCR検査数を増やすべきと発言していた。この“赤紙”という報じ方に視聴者からは「赤紙ってネガティブな言葉使って協力してくれる医師貶めるって本当は検査規模拡大してほしくないの?」「メディアが赤紙って表現するのひどすぎる」「最前線で懸命に働く医療従事者に失礼」という批判の声が相次いでいた。
医療従事者には感謝する声が多く聞かれているが、『グッディ』の報じ方には違和感を抱いた人が多かったようだ。